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第8話

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突き当たりにあった扉には鍵がかかっており、試しにさっき手に入れた鍵を鍵穴に差し込んでみると、鍵はぴったりハマり、右に回して見ると、「ガチャ」と音がし、扉が空いた。
扉を開け、部屋へ一歩踏み出そうとすると、体が重くなって押しつぶされそうな感覚がした。

何もない…何の仕掛けもないが、有伝君を助けられなかった事への罪悪感と彼が自分を恨んでいるのではないかという不安がこの空間を抜け出す事への足枷となり、身動きを止める。
ふと、誰かに背中を押された様な気がして、足を一歩前に踏み出し、後ろへ振り返ると、一瞬有伝君がいたような気がしたがひと瞬きすると、誰もいなかった。
部屋に入ると、そこは下り階段のみある殺風景な部屋になっており、階段の前には写真の切れ端が落ちていた。

私は写真の切れ端を拾うと、前に写真の切れ端を手に入れた時の事を思い出し、その場にしゃがみこんだ。

ついさっき、前に進むと決めたのに、有伝君の顔が少し頭をよぎっただけで立ち止まってしまったのは、私の人間としての弱さだと思う。

それでも、決意を固め直し、私は立ち上がり、目の前にある階段を降りた。

階段を下りると、扉が現れた。
扉を開けると、強い光が指し、目が眩んだ。

目が徐々に光に慣れ始めると、沢山の人影がぼんやり見え始め、聞き覚えのある無機質な声が響く。
《全員…集まったね。やぁ。僕のペット…大鬼のいるエリアから生き延びた勇敢な超能力者達…。》
スピーカーの声を聞き、ざわつく人達。

ここは、会場だろうか?

舞台に開けた広い部屋。

部屋中に設置されたスピーカーから流れる声は、人達の不安を煽る。
《まぁ、思ったよりも早くみんな集まったから、質問を受け付けるよ。》
その言葉で私は反射的に声を出した。
「貴方…さっき“超能力者”と、私達を1括りにしたけど…それはどう言う事かしら?」
《そのままさ…。この会場に集めた人間全員超能力を持った異端児さ…》
「まさか…超能力者ではなかったから有伝君を殺した…なんて事はないわよね?」
《…ふふ。その通りだよ。彼、常識離れした身体能力を持っていたから…超能力者と期待したけど、失敗だったよ。》
「ふ、ふだけんじゃないわよ!!人の命をそんなに甘く見るなんて…貴方、どんな神経してるのよ!!頭おかしいんじゃないの!?」
会場中に不穏な空気が滞った。

殺される可能性がある、スピーカーの声の主は殺すことを躊躇わない。

それは、参加者達にとって恐怖でしかなかった。
《まぁ、勝手に言えばいい。君には期待しているよ。天宿照美。
…さて、他に質問ある人いるか…?》
一言で会場は一気に静まりかえった。

沈黙を破ったのは1人の少年。
「質問させてもらうよ。君の目的は何?」
《僕の目的…?》
「そうだよ。こんなに沢山の人を…なんの目的もなく集めたわけないよね?しかも、“超能力者”って限定までしてさ。」
《うーん。あるけど…どうせ生き残ればそのうち知る事になるからなぁ…。ネタバレするには少々惜しい。》
「そうやって俺達から逃げるの?」
《ほーお前、猪佐男いさお…だったか?  嫌いじゃないウザさだな。》
「そう?俺はお前が大っ嫌いだよ。」
恐怖もなく、主催者と思わしき人物に威嚇をする猪佐男君。

それに嬉しそうに答えている主催者と思わしき人物。

恐怖で動けない他の参加者。

刻刻と時間が過ぎる。

ふと、その時間を断ち切ったスピーカーの声。
《そろそろ準備が整ったよ。説明を始めるね。これからやって貰うのは巨大迷路。迷路には仕掛けが沢山ある。それを避け、ゴールした先着20名が次のステージに進める。》
会場は一気にざわつき、混乱した。
「先着20名って…この会場には100人くらいいるのよ!?」
「次のステージって…この次もあるのかよ…」
「もう嫌!!家に帰してぇ!!」
この様な言葉で会場は溢れた。
《まぁ、決定事項だから…。それでは、ゲームスタート!!》
開始お合図と共に、ステージが壊れ、迷路が現れた。

それを見て、みんな一瞬戸惑いを見せたが、すぐに状況を飲み込み、迷路へ突っ込んで行った。