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第13話

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アングという少年は不思議だった。

さっきまでそこに居たはずなのに別の場所に瞬間移動したり、彼のナイフが一瞬にして沢山現れたりなど普通では有り得ない事を起こした。

彼の超能力なのだろうが、何なのかについては一切わからない。

私は何も出来ずに、アングと戦う猪佐男君の姿を眺めるだけだった。

猪佐男君は強いがアングの謎の能力相手だと互角でこのままだと一向に決着がつかない。

「私が入ると邪魔になるかもしれない」という考えが私の動きを止め、「私は足でまとい」という考えが私を追い詰めた。

追い詰められた私は自分に出来る事を必死に考えた。


そして、私が必死に考えて思いついた答えは寝る事だ。
そして私は木の影に隠れ、寝た。
私は夢を見た。
その夢の内容は
猪佐男君が魔法を使っていた。
そして魔法を使う時は必ず目を閉じる。
夢が終わると、目が覚め、私はアングの動きを見た。

すると、彼の周りで不思議な事が起こる直前、彼は目を見開いていた。
私はアングの動きを観察し、目を見開く動作をした瞬間に、私がこのゲームで所持している武器、二丁拳銃のうち1つ「イザナミ」を構え、引き金を引いた。

すると、放たれたのは弾丸ではなく、光の球であった。

「これがこの拳銃の説明に書いてあったエネルギー弾なのか」と私は関心していたが、それを打たれ、間一髪で避けたアングは私に向かって物凄い量の敵意を放った。
「魔弾…。何故お前が使える。」
アングが魔弾と呼ぶエネルギー弾は、アングを外すとそのまま後ろにあった木に当たり、木は粉々になった。

敵意を見せたアングは私を睨みつけ話す。
「お"い…アマァ…てめぇ…一体何者だァ?」
「…何者と言われても…天宿照美だけど…」
「…ここまで敵意向けられて普通に話せる照美怖い。」
やや引いているのか恐れているのか顔を真っ青にした猪佐男君はそう言った。

アングはそれを無視して私に問う。
「この魔弾…一体どこで習得した?」
「ねぇ。魔弾って何?」
私がずっと気になっていた疑問をぶつけると、アングは更に不機嫌そうな顔をして答える。
「あ''?今てめぇが打っただろ?魔力を丸めたやつだよ。魔法の1種だ。」
「語彙力ないけど何となく分かったよ!」
私が何気無く放った言葉がアングの気に触ったらしく、彼は一瞬にして大量のナイフを投げてきた。

私は目を見開く瞬間が見えたので余裕をもって回避した。
「このアマ…只者じゃねぇな。」
彼の意識は私に向けられたが、彼の敵は私だけでは無い。
「俺を忘れてもらっちゃ困る。」
猪佐男君はアングを押さえつけた。
「チッ…クソッ!離せ…」
「魔弾について…知っている事全て話してくれないかしら?」
私はアングに近寄りそう言うと、彼の頭に「イザナミ」を構えた。

すると、彼は全て話してくれた。
彼の能力が「魔術」を扱うものである事。

魔弾は通常の人間では扱うのが難しく、ほとんど魔術の能力を持った人間しか扱うものではない事。

私の放った魔弾は、上級の魔術師が扱う超ハイレベルの代物である事。
しかし、彼が話し終え、私達が少々油断していると彼は猪佐男君を振り払い、私達に戦闘の姿勢を向けた。
「上級魔女がなんだ。どうせ負けたら死ぬ。死なないように最後まで足掻かせてもらうぜ」
アングは私の事を凄い魔法使いだと誤解している様だが魔法なんて全くもって信じていなかった私にはいい迷惑だ。

アングは積極的に猪佐男君の間合いに入ってきた。

アングは私を上級魔法使いだと勘違いしているので、比較的に倒しやすそうな猪佐男君を倒そうとしているのだろう。

仲間である猪佐男君を倒せば私のモチベーションの低下にも繋がるし、敵は減らした方が彼的にも有利なのだろう。
「猪佐男君!目よ!アングは魔術を使う時、目を見開く!」
「了解」
私がアングについての情報を猪佐男君に伝えると、アングは私を見て言った。
「クソッ…何故それを…」
アングは私に注意を向け、またしても猪佐男君への注意を怠った。

猪佐男君はそれを見逃さず、アングの腹部を殴った。
痛みにうろたえるアング。
「クッソッ…なんで…なんで僕ばっかり…」
乱れた呼吸、歪んだ顔、殺意を持って睨みつける目。

猪佐男君の一撃が相当こたえたらしく、彼はそのまま倒れ込んだ。
「ハッ…お前らは良いよなぁ…その力…さぞちやほやされてきたんだろう。
僕はね…魔術が産まれつき使えただけで“悪魔”だと言われ、僕が産まれた集落の人間に処刑されそうになった。僕は心底能力を憎んだ。何とか魔術で生き延びたけど…ずっと独りぼっち。そんな僕の救いは神だった。だから僕は…元いた世界で悪人を殺していた。」
「あのさ。ちょっといい?」
アングが自分語りをしてる最中、猪佐男君が首を突っ込んだ。
「悪人って殺人鬼とかの事?ならお前と何が違うの?」
…1番触れてはならないデリケートな部分に土足でズケズケと…
「何を言う!僕は正しい!神もお認めになっているのだ!」
アングは猪佐男君の言葉を全力で否定する。

猪佐男君はアングと目を合わせ、言う。
「能力を憎んだんでしょ?ならなんで能力を授けた神を憎まない。君の話しは最初と最後で矛盾しているよ。」
「そっ…それは…」
猪佐男君の言葉に視線をずらすアング。
「それに…僕は決してちやほやなんぞされた事がない。僕の能力は刀を扱う物とはまた別物。実用的じゃない…使いにくい物さ…俺は決して恵まれていた訳じゃない。今でこそ…仲間や相棒に恵まれているけどね。君にもいつか…わかる時がくれば良いな…仲間の大切さがね。」
猪佐男君の発言が途切れると、突然、
「何をしてるんだい?アングマール。」
声が聞こえ、刀を持った青年が斬りつけてきた。