第57話

⛴ここに来た理由
3,196
2022/03/22 14:24
私の部屋を出た後、
私は船内で軽く迷子になっている。
考えてみたら、1人で行動したことがなくて。
どうやったら甲板に出られるのか。
フラフラしていると、また子と万斉さんに遭遇した。
2人は、もう私が記憶を取り戻した
ことを知っている様子だった。
また子
また子
新選組に戻るつもりなんスカ?
あなた

そのつもりだったら、
私を捕まえますか?今の私は、
2人にとって敵ですよね。

万斉
万斉
拙者たちは、晋助の指示に従う
だけでござる。晋助が、認めたので
あれば拙者たちは止めなければ、
捕まえることもしないでござる。
そう言うと、万斉さんは道を開けた。
また子
また子
記憶が戻ったにしたって、
新選組の奴らがあなたにした事は事実ッス。
そんな所になんで戻ったりするッスカ?
元々、私が記憶を失ったのは。
1人で将軍の警備をしたせい。
そんな無茶なことをさせたのは
他でもない近藤さんと松平さん。確かに、
そんな環境に戻るなんてドMだよね。
あなた

自分を肯定するためかな。

私は、人を守ることでしか、
自分の存在意義を見つけられないから。
そう言うと、2人は何も言ってこなかった。
鬼兵隊のみんなは過去に踏み込んで来ない。
それが心地よく感じた。
万斉
万斉
次会う時は、敵同士でござるな。
また子
また子
あなたが相手だろうと、
私達も手加減はしないッス。
私はその言葉を聞いてから、
万斉さんが開けてくれた道を通って
その場を後にした。
-----Okita Side-----
チャイナと眼鏡と別れてから、
俺と旦那は船に乗り込んだ。
ただ、闇雲に船内を探していると、
通路で高杉と遭遇した。
銀時
銀時
高杉...。
晋助
晋助
銀時。俺の船に
乗り込んで何か用か?
総悟
総悟
あなたは何処だ?
晋助
晋助
さぁな。
総悟
総悟
クソッ。時間の無駄でっさ。
今は、あなたを見つけることが先だ。
威勢よく乗り込んではみたが、
今の状況で、高杉とやり合うのは分が悪い。
今回は高杉を無視して、
通り過ぎようとすると。
高杉が質問をなげかけてきた。
晋助
晋助
テメーは何故そんなに必死に
あいつを探してるんだ?
『捕まった仲間を助けるため』か?
随分かっこよくて、
自分勝手な意志だな。
総悟
総悟
勝手に決めつけてんじゃねぇよ。
俺がここに来たのは、謝るためでっさ。
あなた1人に無茶させた事を。
1人で大きな仕事を任され、
記憶をなくしたひとりぼっちの
あいつに気付かないふりしてたことを。
あなたがここにいるのは、
あいつの意志かもしれねぇ。
そう思われても仕方ないことをした。
戻ってこいなんて、自分勝手な事言う気はねぇ。
ましてや、助けに来たなんて、
自分の気持ちを押し付けてるだけでっさ。
総悟
総悟
俺は、あいつの口から。
意志が聞ければ十分でっさ。
そう言い残して、俺は再び走り出した。
何も知らない旦那は、
不思議な顔してただ後ろを着いてきた。

プリ小説オーディオドラマ