第69話

⚔️笑顔で
831
2023/03/12 13:07
次の日。
昨日のことが頭に残って、
全然眠れなかった。
目が覚めたのは、朝の集会の1時間上前。
全然眠気もないし、私は身支度をはじめた。
鏡の前に立って、身だしなみを確認する。
あなた

夢じゃなかった。

昨日、佐竹智也に切られた髪。
肩につかない程度で、長さもバラバラ。
時間もあるし、少し手入れを行った。
手入れを終え、完成した髪の毛を確認する。
どこか見なれない。
そんなことを考えていると、
また昨日の総悟の言葉を思い出す。
あなた

違う。あれに深い意味とかない。
一般論を言っただけで。
私に向けた言葉とかじゃない。
きっとそう。

そんな訳の分からない独り言を
口走るくらいに私は動揺してる。
私はこんなんになってるのに
総悟はきっとすました顔で、
『何1人で慌ててんデッサ』とか
言うんだろうな。
悔しい。
集会の時間になって、
私はいつもの部屋に向かった。
直弘
直弘
おはよう。あなた。
その髪型も...似合ってよ。
あなた

おはよう。ありがとう。
直は気にしなくていいから。

自分のせいでって言う直の
気持ちが伝わってくる。
気にしなくていいのに。
十四郎
十四郎
集まったな。
集会を始めるぞ。
時間になり、集会が始まった。
いつもと違って、今日は重々しい。
昨日あんなことがあったんだから当たり前か。
副長の横にいる総悟の顔も、
今日は一段と暗かった。
十四郎
十四郎
話は以上だ。今日、
近藤さんと総悟とで城に向かう。
他は分担通り仕事をこなしてくれ。
集会が終わり、
みんなはそれぞれ持ち場へ移動を始めた。
私と直と屯所内での仕事のために、
移動を始めた。
総悟
総悟
あなた。
あなた

はい!.....なに。

不意に名前を呼ばれ、
変な返事をしてしまった。
そんな私と比べて、
想像通り総悟はケロッとというより、
いつもより真面目な顔をしていた。
でも、私を見て少し曇ったように見えた。
総悟
総悟
戻ってきたら、話がある。
あなた

話って、なんの?

総悟
総悟
戻ってからのお楽しみデッサ。
総悟はそう言って、
土方さん達と部屋を出ていった。
直弘
直弘
話ってなんだろうね。
あなた

さあ。私が聞きたいよ。

直弘
直弘
あなたと隊長ってさ、
そういう関係なの?
あなた

そういう関係って?

直弘
直弘
男女の中というか...。
あなた

男女の中?

男女の中....。
男と女?
一瞬私の思考が止まった。
そして我に返る。
あなた

違うよ。

直弘
直弘
そうだよね...。
あなた

なんでそう思ったの?

直弘
直弘
前々から仲良いなって思ってたけど。
昨日の隊長があなたを見る眼差しが。
あなた

眼差しが?

直弘
直弘
なんでもない。早く仕事に行こう。
あなた

え、...直。

直は途中まで話して、1人で歩き始めた。
私はそんな直を追いかけて走った。

総悟達が出発して2.3時間後。
仕事をこなしていると、
隊員を呼ぶ声がした。
対応をするために外に出ると、
町人がボロボロの格好をして立っていた。
直弘
直弘
何があったんですか?
助けてくれ!
歩いていたら突然攘夷志士に
囲まれて襲われたんだ。
直弘
直弘
事情はわかりました。
1度落ち着いてください。
直はそう言って、町人を落ち着かせた。
それと、新選組に渡してくれって、
これを攘夷志士に渡されたんだ。
直弘
直弘
なんでしょうか?
そう話して、
町人は服の中から紙を取りだした。
そう思っていた。
直弘
直弘
えっ。
直の気の抜けた声とともに、

グサッ

と言う音が静かな空間に響いた。

ドサッ
あなた

直!

私は走って直の元へ行き刀を構た。
私の声に反応して他の隊員も集まってきた。
隊員A
あなた。どうした。
隊員B
直弘...!貴様何者だ。
直弘
直弘
あなた。俺は大丈夫。
直の方を見ると、
腕から血を流していた。
咄嗟にかわして、
後ろに転けただけみたいでとりあえず安心。
今は大丈夫そうだけど、
戦うことは出来なそうだし。
早く止血しないと。
隊員A
相手は1人。
あなたは一旦直弘と中へ。
あなた

ありがとうございます。

私たちは、集まってきた隊員に託し、
中へ入り止血を始めた。
直弘
直弘
ごめん。不注意だった。
あなた

直は悪くないよ。とりあえず1人だし。
ここはみんなに任せて...

直弘
直弘
ひとりじゃないよ。
あの顔見たことがある。
あれは、智也の部下だ。
ドスーン

直の声と被って大きな音が屯所に響いた。
あなた

なんで、次の狙いは将軍だって。

私は急いで、布で腕を縛った。
直弘
直弘
智也の話を信じた俺がバカだった。
智也はそういう人間だった。
あなた

直はここに居て。

私は刀を持って、入口の方へ向かった。
智也
智也
昨日ぶりだな、おバカな新選組。
あなた

佐竹智也!

智也
智也
敵の言葉を信じるなんて、
とんだマヌケだな。
あなた

この状態を狙って嘘をついたのね。

将軍を襲うと言えば、新選組は必ず動く。
けどその前に、局長、土方さん総悟の3人は
松平さんの元へ相談に行く。
そうすれば、屯所は手薄になる。
それに、新選組を先に叩けば、
将軍を襲うのは簡単になる。
智也
智也
戦いは、戦略が大事だからな。
上3人のいない新選組は雑魚だ。
かかれ。
佐竹智也の掛け声と共に
攘夷志士達が攻撃をはじめた。
攘夷志士の数はざっと50人ほどかな。
新選組は総悟達が居ないのに加え、
見回りに出ている隊員もいる。
でも、少しでも時間を稼げれば、
誰かは戻ってきてくれるはず。
襲いかかってくる志士の相手をした。
隊員A
数が多すぎる。
隊員B
ばか、よそ見するな後ろ。
隊員A
へ。
攘夷志士
後ろ、もらっ...。
私は隊員に切りかかろうとしていた志士に
背後から近づいて倒した。
あなた

気を引き締めて。

隊員A
ありがとう助かった。
隊員B
そういえば、佐竹智也はどこだ?
あなた

え。

周りを見渡すと、佐竹智也の姿がなかった。
まさか、直のところに向かったんじゃ。
今すぐ向かわないと。
攘夷志士
智也様の所へは行かせない。
私の周りを3.4人の志士が囲んだ。
さすがに人が多すぎる。
そう思っていると、
私の目の前にすごい速さで人が現れ、
前にいた志士を次々と倒した。
オレンジ髪のアフロで、口元は隠れている。
この人の特徴、総悟から聞いたことがある。
あなた

3番隊隊長、斉藤終....。

終
......。
助けに来た人は無言で頷いた。
クールで格好いいと思った束の間、
アタフタしはじめた。
総悟が確か、終兄さんは無口だって言ってた。
あなた

ここは任せました。

私は、勝手に解釈して、
その場を終さんに任せた。
屯所に入ると、
佐竹智也が振り下ろした刀を
直が片手で構えた刀で必死に抵抗していた。
あなた

直。

直に加勢し、佐竹智也の刀を振り払った。
直弘
直弘
あなた。
智也
智也
またお前か。
兄弟喧嘩に入ってくるな。
あなた

喧嘩?あなたのは支配でしょ。

二人の関係は、
私が知っている兄弟喧嘩じゃない。
あなた

私のお兄ちゃんは、
私に命令なんかしなかった。
私が悲しむ事なんてしなかった。

私を殺そうなんてしなかった。
私の大切な人を殺しはしなかった。
私のために命を落とした。
智也
智也
兄弟の形はひとつじゃない。
これが俺たち兄弟の形だ。
それに今回の目的は、
あくまで新選組の壊滅。
智也
智也
お望みなら、
まずはお前から殺してやる。
私は刀を強く握った。
直は私より強い。
そんな直より強い相手に私がかなうわけない。
けど、ここで私が負けたら。
私も直も、助からない。
怖いなんて言ってられない。
頑張らないと。
笑顔で近藤さんや土方さん、
総悟をおかえりなさいって迎えるんだ。





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大変お待たせしました。
少し長いです。


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