------Okita Side----
ある日。
今日は1番隊にあなたの姿が見えなかった。
土方に聞いたところ、
他の仕事に行っているらしい。
あいつも大変だな。
夕方。
部屋で寝ていると、ザワザワ騒ぎ声が聞こえてきた。
クレームを言ってやろうと思い、人混みに向かうと。
隊員達が見ていたのは、とっつぁんに担がれた。
血まみれのあなただった。
隊員達に部屋まで運ばれて。
直弘や山崎達が怪我の処置をした。
結構深手で。顔色も悪くなっていた。
俺と近藤さんと土方はとっつぁんから事情を聞いた。
なんでも、将軍を庇ってくれて負ったらしい。
こんな仕事だ、怪我する
くらいなんとも思いやしねぇ。
ただ、問題はそこじゃない。
俺は、そう言い残して。
局長室から出て行った。
俺の足が向かったのは、あなたの部屋だった。
そこには、眠るザキと見守っている直弘が居た。
こいつが将軍のためには戦ってた頃、
俺は屯所で、ただただ寝てたなんて。
かっこ悪い通り越して情けねぇ。
自分への怒りと土方と近藤さんに対する怒りで。
俺はその日眠りにつくことが出来なかった。
ただ、ずっと。眠るあなたの顔を眺めていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。