第72話

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2023/04/17 22:00
-----sogo side-----
俺はあなたに向けて
佐竹智也が振り下ろした刀を止めた。
間一髪。
少しでも遅かったら、
その時のことを考えると
俺の背中に恐怖の汗が走る。
それと同時に、
目の前の奴への怒りが沸く。
俺は怒りに任せ、
刀を力で押し切り、
佐竹智也を壁に飛ばした。
総悟
総悟
....あなた。
俺は後ろを振り向かなかった。
もしもう手遅れだったら。
あなた

......総悟。

その声に力が抜けた。
姉上だけじゃなくて、
あなたまで居なくなったら。
総悟
総悟
無茶してんじゃねぇよ。
あなた

約束...守れなくなるところだった。

総悟
総悟
もうそこで休んでな。
俺は刀に力を込めた。
あなた。お前は頑張りすぎだ。
総悟
総悟
ここからは、俺に任せろ。
佐竹智也はすぐに立ち上がった。
あんなんでおっちんでるようなら、
あなたが負けるはずねぇか。
智也
智也
隊長のお出ましか。
あと少しだったんだがな。
総悟
総悟
お前に、攘夷志士なんかに
新選組は壊させねぇよ。
智也
智也
俺たちの今回の目的は、
新選組の壊滅だが。
もう一つ別にある。
別の目的。
他の場所にも志士を
派遣してるって言うことか。
いや、佐竹智也にはその規模の勢力はない。
総悟
総悟
まさか。
直弘の方を見ると、
志士が直弘を狙っている。
智也
智也
佐竹直弘の殺害さ。
総悟
総悟
なぜ自分の弟を殺そうとする。
智也
智也
攘夷志士の弟が新選組なんて。
俺の評判が悪くなるだろ。
そんなことのために、
弟を殺そうってか。
心底理解できない。
いや、攘夷志士の考えることなんて、
理解するもんじゃねぇか。
総悟
総悟
直弘。まだ戦えるか?
直弘
直弘
はい。
総悟
総悟
お前はあなたを連れて外に出てろ。
ほかの隊員合流した方が安全だろ。
佐竹智也の相手は俺一人で十分だ。
直弘
直弘
わかりました。
俺たちのの兄弟喧嘩に
巻き込んですみません。
総悟
総悟
全くだぜ。外まであなたを無事に
守れたらチャラにしてやる。
直弘
直弘
わかりました。
隊長も気をつけてください。
直弘はそう言って、あなたを背に乗せて
入口の方へ走っていった。
これで問題はひとつ解決した。
本番はここからか。
智也
智也
兄弟喧嘩ね。
総悟
総悟
そんな可愛いもんじゃねぇだろ。
智也
智也
俺たち兄弟はこれが普通なんだ。
俺が弟を支配するそれが兄弟の形だ。
総悟
総悟
普通じゃねぇな。
智也
智也
いいね。
普通じゃないは褒め言葉だ。
こいつ頭のネジ10本くらい抜けてんじゃねぇか。
総悟
総悟
直弘はもう新選組の一員だ。
新選組に手ぇだすなら、
俺が黙っちゃいねぇ。
俺は、佐竹智也に斬りかかった。
相手も並の身体能力じゃねぇ。
俺は本気で刀を握った。
智也
智也
クソッ。
俺は佐竹智也の攻撃を難なく交わした。
こんなもんか。
これなら、直弘の方が断然強い。
あいつはただ、劣等感を抱えてるだけだ。
殻を破れば。こんな奴には負けねぇ。

しばらく戦闘が続いた。
佐竹智也は徐々に体力が減っている。
総悟
総悟
あなたの仇もある。
もう容赦はしねぇ。
俺は佐竹智也をきりつけた。
その時、後ろから直弘が走ってきた。
直弘
直弘
隊長!
総悟
総悟
直弘。あなたはどうした。
直弘
直弘
入口は副長や戻ってきた
隊員のおかげで片付きました。
あなたは土方さんが見てます。
総悟
総悟
そうか。
直弘
直弘
土方さんからお前はやつの
最後を見届ける必要があると。
総悟
総悟
同感だな。
智也
智也
直弘。ノコノコと俺の前に
戻って来るとはバカだな。
直弘
直弘
この状況でまだ悪態をつくのか。
さすがだな。
佐竹智也はボロボロで、
直弘を攻撃する余裕なんて見えない。
俺は直弘の肩を叩いた。
後はお前に任せる。
総悟
総悟
あとは好きにしろ。
お前の持つ劣等感を
捨てるためにもな。
直弘
直弘
ありがとうございます。
直弘はそう言って、
佐竹智也に近づいて行った。
直弘
直弘
これでやっと。
肇との約束が守れる。
智也
智也
弱いお前に俺を殺すことが出来るかな?
直弘
直弘
俺はもう、あの頃とは違う。
そう言って直弘は佐竹智也をきった。

ドサッ

これで事件は幕を閉じる。
直弘はしばらくそのまま動かなかった。
あいつの中にも、
いろいろ考えることがあるんだろう。
俺はひとり外へと向かった。

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