(愛華)え?掃除番?
(母)そうなのよ、今月のお社掃除番うちなんだけど・・・お母さんは之から仕事に行かなきゃいけないから愛華、代わりにやってくれない?
朝、珍しく早起きした愛華。
早起きは三文の徳と言うから何か幸せが起きるのかと思えば町で長年行っている神社のお社の掃除当番をせざるを得ない状況に陥ってしまった。
(愛華)・・・・・・分かった、お社の掃除番やっとくからお母さん早く仕事に行ってきて。もう時間でしょ?
と、渋々ながらも言う。
(母)え?もうそんな時間?じゃあ、お母さん仕事に行ってくるからね。サボるんじゃ無いわよ?
と言い、仕事に向かった。
愛華は盲点を突かれ「うっ・・・」と唸った。
さて、ここからが問題だ。
今日の最高温度は31度。
暑い。とてつもなく暑い。
愛華は、途中にあるコンビニに寄り飲み物を買いつつ行くかと自己暗示し、財布を持ち、家を出た。
-----ミーンミーン-----
どこかの木にいるのであろう、セミが元気よく鳴いていた。
愛華は行くことを後悔した。
然し、母は仕事でいない。
どう考えたって自分が行くしかない。
そんな事をグダグダと考えていたら最寄りのコンビニに着いた。
そこで飲み物三本と、朝ごはん(おにぎり)を買い、神社へと重い足をフル活動させ、向かった。
小規模な町なので、神社へは直ぐに着いてしまった。
この町の神社の周りには木が生い茂っているので、日陰としては最適であった。
愛華は町内会会長の剛(つよし)さんが用意した掃除用用具を取りに行くために、神社の横にある小屋に行った。
(愛華)・・・・・・はァ、暑い・・・・・・。
影が当たっているとはいえ、真夏だ。
汗はとめどなく流れてくる。
愛華は、お社の階段に座る前に一礼してから座り、飲み物を飲み始めた。
朝の10時に此処に着いて掃除を始めたのに、今はもう日はどんどんと進み12時を刺そうとしていた。
12時ともなると、お腹が減ってくる。
愛華は一次休憩して、近くのコンビニに寄り、お弁当とお供え物を買いに行った。
-----3時間後-----
(愛華)終わった・・・・・・💧
愛華は、仕事が終わったと同時にお社の階段を登り、倒れるように座った。
少し休憩し、買ったお供え物を置いた。
愛華は、手を2回叩き数秒間目を瞑った。
その時だった。
(?)何これうまっ!
突如、声が聞こえた。
愛華は恐る恐る目を開けると、さっき供えたばかりの物を食べる者がいた。
(愛華)は?・・・・・・何してんの?
愛華は、蚊の鳴くような声で聞いた。
(?)何って、食ってんだよ!
てか、うめぇ!
状況が判断できなくなってきた愛華は右手に拳を作り、その者を殴った。
然し、効かなかった。
その者は、空を飛んだ。
(?)おまっ!神を殴るやつがいるか!
(愛華)は?
愛華の前で神と名乗った青年。
(愛華)神?嘘だ・・・・・・てか、自分を神って・・・・・・イタい・・・・・・
(輝夜)ホントだっつーの!俺は輝夜(かぐや)!ヨロシクな!
(愛華)えっと・・・・・・何歳?
てか、本当に神?
(輝夜)だから、ホントだって!何歳か?
・・・・・・500年以上は生きてるぞ!
500年・・・・・・結構長い。
然し、愛華は未だ信じられていなかった。
そんな愛華の顔に突如水が降ってきた。
(愛華)冷たっ!・・・・・・て、水?
(輝夜)ビックリしたろ〜!
(愛華)ま、まぁ・・・・・・
愛華は、未だ信じられていないが、薄々と本物だと感ずいて来た。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。