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第37話

3日目-6
あっという間に時は経ち、夕方。
神奈
ただ~いま~……
玄関から、神奈の声が響いてくる。
稲汰
神奈ちゃん!おかえ……り……?
稲汰はすぐさま神奈のところにかけより『おかえり』と返そうとするが、最後が疑問型になってしまう。なぜなら──
(稲汰)神奈ちゃん、なんでそんなに暗い顔してるの……?
家に入って来た神奈は、少しうつむいていて、表情も暗い。今思い返してみると、『ただいま』の声も少し暗かったような気がする。
稲汰
神奈ちゃん……
稲汰は、小さく神奈の名前を呟くことしかできなかった。
~・~
夕食時。まだ神奈は、沈んだ顔をしている。カチャカチャと、食器の音だけが響く。だが、長く感じられた夕食の時間も、ついに終わり。稲汰が席を立とうとしたその瞬間。
神奈
なー君……
今にも消えてしまいそうな小さな声で、神奈が稲汰を呼んだ。
稲汰
な、なぁに、神奈ちゃん!
稲汰は ばっ と神奈の方を向くと、急いで問いかける。すると神奈は、ゆっくりと顔をあげ、稲汰の瞳を見ながら、こう言った。
神奈
ねぇ、〝稲汰の初恋指南塾〟お願いしてもいいかな?
その瞬間、稲汰の脳裏に浮かんだ、〝西内 拓〟という名前。
(稲汰)……。嫌な予感がする、、、
その予感は、あながち間違ってはいなかった。
~・~
それから10分後、稲汰の部屋。稲汰と神奈は、向かい合うようにして座っている。部屋に溢れている静寂。それを割る、稲汰の声。
稲汰
……じゃあ、始めるよ。〝稲汰の初恋指南塾〟。
前回のハイテンションな宣言とは違い、落ち着いている。稲汰の宣言が終わると、神奈がすぐに口を開いた。
神奈
ねぇ、聞いて
神奈
なー君だけが、頼りなの……
稲汰
……うん
神奈
私ね
(稲汰)お願い、それ以上言わないで
神奈
実は……
(わかってるよ、神奈ちゃんの言おうとしてることなんて)
神奈
拓のことが好きになっちゃったの
(稲汰)『拓のことが好きになっちゃったの』