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第19話

2日目-3
コンッコッココンッコンッ
神奈
な~君っ!
軽快なリズムを刻みながら、ドアをノックし、稲汰に声をかける。
稲汰
あ、神奈ちゃん?入って入って!
稲汰の部屋に入ると、ちょうど稲汰が本棚に本を戻しているところだった。
どうやら、今まで本を読んでいたらしい。
小さな机を挟むようにして稲汰の前に座ると、神奈は口を開いた。
神奈
あのねっ、なー君。私ね、昨日の午後、お散歩に行ったんだ。
稲汰
あぁ、それで神奈ちゃん、家にいなかったんだね。それで?
次の言葉を紡ぐ前に、神奈は服の裾を握りしめた。これは、1種の"賭け"なのだ。
神奈
それでね、たまたま会った"西内拓"っていう男の子と仲良くなったんだ。……なー君、この男の子、知ってる?
この問いに稲汰が『知ってる』と答えたらいいのだが、もしも『知らない』と答えたら……
稲汰は、数秒首を傾げて考えた後、神奈にこう言った。
稲汰
……おかしいな。"西内拓"なんて名前の男の子、この辺りには住んでいないはずだけど……。その男の子って、何歳?
その質問に、神奈はどう答えるべきか迷った。昨日拓は、自分のことを114歳だ、と言っていたからだ。
神奈
え~っと……。たしかぁ、14……歳?
口をモゴモゴさせながら、かろうじて答える。
稲汰は、神奈の答えを聞いて、頷いてから言った。
稲汰
うん、それならなおさらだよ。"西内拓"なんて男の子この辺りには住んでいないし、僕も知らない。
稲汰の『知らない』という言葉を聞き、神奈は少しの間固まった。
が、服の裾を握りしめていた手を離すと、立ち上がり、こう言った。
神奈
わかった!ありがとう、なー君。それじゃ私、ちょっと出かけてくるね。
神奈は、稲汰の反応も待たずに、部屋から出ていった。
残された稲汰は、扉が閉まったのを確認した後、こう呟き、軽く口を尖らせた。
稲汰
"男の子と仲良くなった"かぁ……。
稲汰は、神奈の前では隠していたが、その"西内拓"という男の子に、どうしようもなくヤキモチをやいていた。