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第25話

2日目-9
2人の間には、沈黙が流れている。
神奈は、頭が状況に追い付かず、真顔でフリーズしている。
拓は、神奈から顔を背けたまま停止しているため、神奈の方から表情を窺うことはできない。
──1度、先程の出来事を整理してみよう。
・拓にヘアピンのことについて聞かれました。
・「そんなのよりお前は……こっちの方が似合ってる」と言われました。
・頭に花冠をのせられました。
(神奈)……What?
状況を整理しても、神奈の頭の中の疑問符が減ることはなかった。
時間にして5分ほど沈黙が続き、ついに拓が口を開いた。
おい……なんだよ……、なんで黙るんだよ……。
やっとこちらに軽く顔を向けてくれた拓は、逆光で表情は読めないが、耳が真っ赤に染まっていた。
そこで、神奈も話し始める。
神奈
急に、『そんなのよりお前は……こっちが似合ってる』だなんて……、どうしたの?
それを聞いて、拓は心なしか声を大きくしながら話した。
ど、どーしたって……そのままの意味だよ!まっ、お前はもともとブスだから、たいして変わんねーけどなっ!!
神奈
はあぁっ!?もー、ホントあんたなんなのよ……
ため息をつき、仰ぐようにして空を見る。と、そこで、だんだんと日が傾き始めていることに気づいた。
神奈
あ、ヤバっ、もうそんなに時間経っちゃったの!?……ゴメン拓、私そろそろ帰らなきゃ。この花冠ありがとう!
神奈は、早口でそう告げると、駆け足で稲汰の家に向かった。
後ろからは、慌てた拓の声が聞こえてくる。
ちょっ、おい!明日も来いよなー!!
神奈は、その声に振り向くことなく、走り去った。
(神奈)あいつの前から離れる口実が作れて、よかったな。
──必死に隠したのが全て台無しになる。だって、今振り返ったら、真っ赤に火照った頬や、うるさいほど波打っている心臓の音に気づかれてしまうだろうから。