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第40話

4日目-1
元気に鳴く、セミの声。体を包み込む、熱気。時折吹き抜ける、心地よい風。そして、間違えようのない、いとおしいひまわりの香り。
太陽の光が頭上から降り注ぐ、昼過ぎ。神奈は、想いを寄せている男の子、拓と2人きりで、幸せそうな笑みを浮かべながら、時を過ごしていた。
周りには、拓と出会ったときより少し成長した、大きなひまわり。いつもここにいるせいで、少し日に焼けた神奈の肌。それらは、ここで過ごした時間の長さを物語っていた。
拓と出会ってから、1週間とちょっとが過ぎた、ある日のこと。2人はいつものように、ひまわり畑で会話に花を咲かせていた。
最初に出会ったときより、拓の物腰が柔らかくなったのは、神奈の気のせいではないだろう。
神奈、今日は日差しが強いし、気温も高いけど、大丈夫か?……俺と一緒にいるために、ムリしちゃダメだからな。
少し気恥ずかしそうにしながらも、神奈の瞳を見つめながら、静かに微笑んで、こんな言葉をかけてくれる。
神奈
うん、大丈夫……。ありがとね、拓。
そんな、他愛のない日々の言葉や行動が、神奈の胸を、キュッとさせる。拓と過ごしていく度に、神奈の中の想いは、どんどん大きくなっていって。
(神奈)なんで、気づいてくれないのかな……
そんなことを考えてしまうくらいだった。
稲汰は最近、頻繁に神奈の話を聞いてくれるようになった。いつもと同じ表情で。いつもと同じ声で。……でもなんだか、奥底に影が隠れているような気がして。「どうしたの?」って聞いても答えてくれることはないから、神奈には、どうすることもできないけれど。
……おい、神奈?今、俺じゃない別の男のこと考えてただろ。
いつの間にか、瞳を閉じて、自分の世界に入ってしまっていたようだ。拓の声を聞いた神奈が、瞳を開けようとすると、
神奈
え、なんでわかったnって近っ!!
鼻の先と鼻の先がくっついてしまうのではないかと思うぐらい近くにあった拓の顔。びっくりして、思わず後ずさりする。
ははっ!ホントお前って、面白いよなぁ……っ!!
ひまわりにも負けないぐらいの明るい笑顔で笑う拓。
こうして、無邪気なイタズラにいつも困りながらも、神奈はまた恋に落ちていくのだった。