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第14話

1日目-13
……時は、8年前に遡る。
その頃の私は、好奇心旺盛で、どんなことにも興味を示す活発な子だったという。その頃から、私は稲汰と仲良しで、他の思い出は思い出せなくても、稲汰と一緒に過ごした思い出だけは、なぜか鮮明に思い出すことができた。
その中でも特に、平安時代、白拍子が舞と共に詠っていたという、『今様』は、不思議と忘れられなかった。よく、稲汰と詠っていたのだ。
(神奈)そういえば、覚えている今様の中に、『出逢いの詩』というのがあったっけ。なぜか今、詠わなければいけない気がする……。
神奈は、何かに誘われるようにして、『出逢いの詩』を詠い始めた。
神奈
────君を───
その瞬間、周りの音がやんだ。まるで、神奈の『今様』を、自然が聞きたがっているかのように。……まるで、今から何かが始まろうとしているかのように。
神奈
初めて見る折りは───
太陽の光が増していく。それに合わせて、ひまわり達が少しずつ光輝いていく。
神奈
千代も経ぬべし姫小松────…
神奈は、自分が舞っていることに気が付いた。まるで、本当の白拍子になったような感覚がした。
神奈
御前の池なる亀岡に───
不意に、空から扇子のようなものが降ってきた。神奈は、それをふわっと受け取り、舞を続けた。すると、扇子もキラキラし始めた。
神奈
鶴こそ群れいて
ひまわり達と扇子の輝きが1つになり、全体を包んだ。
神奈
───遊ぶめれ──
神奈が詠い終わると、その輝きが、霧が晴れるかのように、ゆっくりと静かに消えていった。そして、その中から──、
……1人の男の子が現れた。