1つのテーブルを、稲汰、稲汰のお母さん、稲汰のお父さん、神奈の4人で囲む。ちなみに稲汰のお父さんは、気さくで馴染みやすく、とても人柄の良い人だ。
そして、今日の朝ご飯のメニューは、赤飯、豚汁、鯖の味噌煮、マカロニサラダ、リンゴジュース。……と、普段より少し豪華なのが見てとれる。
思わず頭を下げるが、
なんて良い人達なんだろう……!稲汰と幼なじみで良かったとしみじみ思う。
珍しく、食事中に稲汰のお父さんが口を開く。
不思議と興味を引き、急いで問いかける。
すると、稲汰が思い出したように話し始めた。
どうしても何か手掛かりやヒントが欲しくて、稲汰に詰め寄る。
稲汰の口から発せられたのは、『伝説を探すのは“絶望的”』ということだけだったが、神奈の中の好奇心の火が消えることはなかった。そして、この町から帰るまでには、伝説を必ず解き明かしてみせると、固く決意したのであった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。