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第13話

1日目-12
それから、数十分後。
神奈
な~~い~~!!
少しイタイ感じもするが、神奈は、1人で大声で叫んでいた。それもそうだろう。もう、こんなに長い間伝説を探し続けているのに、伝説はおろか、手がかりすら見付からないのだから。
(神奈)やっぱり、あるかどうかも定かじゃない伝説を探すなんで、無謀なことだったのかしら。でも、ここで何の収穫もなしに帰るのは、私のプライドが許さないし……。……今は休憩して、落ち着いてからまた探し始めようかな。
そこで神奈は、周りをひまわりに囲まれながら、軽食や水分補給をし始めた。
その瞬間、不意に稲汰のことを思い出した。
(神奈)そういえば、なー君は今どうしてるかな。もう塾から帰ってきてるのかな。……きっと、私が1人でここにいることを知ったら、凄くビックリするだろうな。今頃、『神奈ちゃんがいないよぉ……!』……なんて言って、私の帰りを心待ちにしてたりして。
優しく降り注ぐ太陽の光と、暖かく包んでくれるひまわりの花達が、神奈を稲汰の代わりに見守ってくれている気がした。自意識過剰と言われれば、そうなのかもしれない。だが、今の神奈には、そんな些細なことでも、心の支えとなっていたのだ。
ひとりぼっちのときに、側にいて支えてくれるものの存在の、計り知れない心強さを、あなたは知っているだろうか。神奈は、この経験をきっかけに、少女からどんどん成長していく。まぁ、そのことに、まだ神奈本人は全く気付いていないが。
(神奈)よしっ、軽食も水分補給も十分したし、そろそろ伝説探しを再開しようかな。……でも、こんなに探しても何も見付からないなんて、やっぱり伝説は嘘……だったのかな。……ううん、なにか大切なことを見逃しているような気がする。それも、今じゃなくて、もっとずっと、昔の記憶に……。
神奈は、ただ1つの手がかり、幼い頃の稲汰との記憶を思い出し、何か見落としていることはないか考え始めた。
この選択が、神奈の運命の、大きな分かれ道の入り口だったことを知っているのは、それを見守っていたひまわりだけだった。