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第33話

3日目-2
稲汰
神奈ちゃん、ご飯だよっ
母の手伝いを終え、神奈を呼びに来た稲汰は、昨日と同じように神奈が使っている部屋の前で大きく声を張り上げる。
神奈
……んぁっ!?なー君!?……わかった、今行くー!
(稲汰)『んぁっ!?』って……(笑)2度寝でもしてたのかな?(笑)
このとき返ってきた神奈の声は、少し滑舌が悪かった。
稲汰は、少し先に食卓につき神奈を待つ。しばらくすると、神奈が小走りで食卓についた。
神奈
ごめん、お待たせ~!
声に先程の微睡みは含まれておらず、いつも通り元気そうだ。
神奈&稲汰
いただきます!
手を合わせ食事を始めると、神奈はよほどお腹が空いていたのか、とてつもない速さでご飯を口に入れ始めた。稲汰はそれを見て、少しハラハラする。
(稲汰)あぁ、そんなに急いで食べたら喉つまりしちゃうよ……もっとゆっくり食べればいいのに。お腹空いてるのかな……
そうして、自分のご飯は目もくれず神奈を見ているうちに、微かな違和感を感じ始める。
(稲汰)神奈ちゃん、頬が少し紅い……?熱……じゃないよね。っていうか、さっきからどこを見てっ……
稲汰が、神奈の視線の先を辿ると。そこには。その方向には。──ひまわり畑。
そこで、稲汰は気づいてしまう。昨日の花冠を見たときにも、薄々気づいてはいた。きっと、神奈と拓は、ひまわり畑で会っている。……稲汰と、同じように。
(稲汰)もう神奈ちゃんにとっては、ひまわり畑は僕だけとの思い出の場所じゃないんだ。……あぁ、どうしよう。もう、こんな感情捨てなきゃいけないのに。
ツキンッ ツキンッ
胸が、軋むように痛む。
稲汰は、ひまわり畑から視線をそらすと、手つかずだったご飯を食べ始めた。神奈はすでにご飯を食べ終わり、ひまわり畑を見つめ、幸せそうに微笑んでいる。
その横顔から、必死に意識をそらしながら。稲汰は今日も、自分を欺く決心をするのだった。