あなたの言った通り、山の中はどこもかしこも鬼だらけだった。
襲いかかってくる鬼を次から次へと斬り捨てていくあなたの横で、善逸はひたすら汚い高音を上げていた。
そう言うとあなたは日輪刀を鞘に収め、善逸の肩を優しく叩いた。
それだけ言い残すと、あなたはピョンと木の枝に飛び乗った。善逸の顔から血の気が抜けていく。
鬼たちはターゲットをあなたから善逸に変える。
善逸はヒィィ...と情けない声を出すと、糸が切れた操り人形のようにその場でパタリと倒れてしまった。
これにはあなたも困惑気味である。
鬼の爪が善逸に届く、まさにその時。
鬼の腕が宙を待った。
あなたがポカーンとそれを見つめていると、おもむろに善逸が立ち上がった。
ザッと左脚を下げ、姿勢を屈める。
辺りにシィィィィッ...という独特な呼吸音が響く。
善逸の手元にバリバリと稲妻が走る。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。