第6話

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2022/09/28 08:39
 あなたの言った通り、山の中はどこもかしこも鬼だらけだった。
 襲いかかってくる鬼を次から次へと斬り捨てていくあなたの横で、善逸はひたすら汚い高音を上げていた。
善逸
いぃ"ぃぃ"ぃぃやぁ"ぁぁ"ぁぁぁ!!!!
あなた
もお、うるさいなぁ。善逸が騒ぐせいで鬼が寄ってくるんだけど。ちょっとは手伝ってよ
善逸
ムリムリムリムリムリムリッッ!!!!ムリですッッ!!!!
あなた
まったく...じゃあそろそろ終わらせよっか
 そう言うとあなたは日輪刀を鞘に収め、善逸の肩を優しく叩いた。
善逸
え"...?
あなた
ガンバ!
 それだけ言い残すと、あなたはピョンと木の枝に飛び乗った。善逸の顔から血の気が抜けていく。
ヴゥ"ァ"...
ア"ァ"...
 鬼たちはターゲットをあなたから善逸に変える。
 善逸はヒィィ...と情けない声を出すと、糸が切れた操り人形のようにその場でパタリと倒れてしまった。
あなた
え、...え?
 これにはあなたも困惑気味である。
 鬼の爪が善逸に届く、まさにその時。
ギャヴッ
 鬼の腕が宙を待った。
 あなたがポカーンとそれを見つめていると、おもむろに善逸が立ち上がった。
 ザッと左脚を下げ、姿勢を屈める。
 辺りにシィィィィッ...という独特な呼吸音が響く。
善逸
雷の呼吸 壱ノ型___
 善逸の手元にバリバリと稲妻が走る。









善逸
霹靂一閃

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