サンヒが小さく言う。
指さす方向には大邱中のユニフォームを着て、
背中に『6』と書いてある男子が居た。
顔はよく見えないけど背は低い方。
でもバスケは上手で、テクがすごい。
もうメロメロのサンヒ。
得点なんてそっちのけでそのイケメンばかり目で追いかけてる。
サンヒは江北中の得点付け、
私は大邱中の得点付け担当だった。
大邱中はとにかくシュート入れるのが早いから。
目を離す暇がない。
と、大邱中の選手がドリブルしながら自分のゴールの方に走って行く。
ゴールの少し遠い所、
つまり得点版の目の前に来て立ってるその人。
するとその人が急に回されたパスを受け取る。
“スパッ”
『うぉぉぉぉぉぉぉ!』
客席や女バスの席から声があがる。
何と、その人は遠くからシュートを決めたのだ。
私も思わず客席の人と一緒に声を漏らしてしまう程、
すんなりシュートを決めた。
それからもその人は見事にシュートやパスをしていき···。
“ピーーーッ”
時間が来た。
98点対46点。
大邱中の圧勝だった。
その『イケメン』な人の顔は見えなかったけど、
どうやらバスケは物凄く上手いらしい。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。