貴方の「死」という事実に。
真っ暗な暗闇で…ずっと、囚われ続けている。
それでも私は、もがいてもがいて……今、生きてる。
そんな中、いつも貴方の顔が頭に浮かぶ。
母親の顔も、父親の顔も……全然、覚えていないのに。
貴方だけは、何故か……鮮明に、思い出せるんだ。
鮮明に思い出せてしまうから……涙が溢れ出る。
思い出した途端、涙が止まらなくなる。
私の涙が枯れるのは。
一体……いつになるのだろうか。
枯れ果てることは…永遠に、ないのだろうか。
……最近、本当に泣いてばかりだなぁ。
その日も私は……独り、泣き崩れた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
………何でだ。
何でアイツはあんなにも……悲しい顔をしてるんだ。
何で、何で……アイツは、笑わない。
1度も、笑顔を見せない?
……何で、俺は死んだんだよ。
アイツが笑顔じゃなきゃ。
俺の死は無駄死にになっちまうだろォ……。
︎︎
声にならない、嗚咽が。
真っ白な世界に……響き渡った。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。