第9話

#8
1,752
2020/04/21 16:05
あなた
…私はッッ…実弥さんのこと、をっ…忘れることなんて、出来ませんッッ…!!
不死川実弥
………。
あなた
師範が居ない生活への悲しみも……あの日、息絶えた師範を目にした時の苦しみ、も…。
あなた
……全部、全部。
あなたと過ごした日々…全てを。











──愛して、いました──……。
















不死川実弥
……そうかィ。
ごめんなァッッ……あなた…。
不死川実弥
俺がもっと…ちゃんと、していたらッッ…
お前はきっと……もっと……もっともっと、幸せになれたんだァッッ…。
不死川実弥
非番の日、何処か連れてってやりゃァ良かった…。お前の鍛錬の時間を割いて……色々な所に連れてってやれば良かったァッッ…。
不死川実弥
…もっと、俺が……強ければ…。





︎︎
不死川実弥
…もう、お前の萩は…食えねぇのかァ。
あなた
っ…!!
あなた
何、言ってるんですか……。
充分……充分過ぎるほど、師範との日々は幸せでしたよッッ………。
あなた
……ねぇ、泣かないでください…。
貴方の泣き顔を見るだけで……胸が苦しくなるんです……息が、出来なく…なるんです…。
不死川実弥
っ…………
不死川実弥
……ははっ。もう…そろそろ、時間みてぇ…だなァ。
あなた
……えっ…?
不死川実弥
お前とは……今度こそ、本当にサヨナラだァ。……元気にしてろよォ。
少しずつ。

師範の身体が……光と、なっていく。
あなた
待っ、待ってッッ!!!
私まだ、師範と話したい事…たく、さんッッ…!!!
その瞬間。


























チュッ





















あなた
……え…
不死川実弥
あなた。…もう、泣くなよォ?















︎︎
不死川実弥
──…愛してる。



















︎︎
あなた
っ…!!
あ、い、嫌だぁッッ!! しはッッ…
その瞬間。

師範は弾け、細かな光となって…完全に消滅し。

















──私の視界は、暗転した。


















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