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第17話

【Seven・Solve】
8:00
客達は殆どロビーに居る。別に何がある訳でも、集められた訳でもない。単に一人じゃ心細いす、会場では居心地が悪いから、最も人が集まりそうな所に皆来たのだ。たむろしていると、二階からサクラとマサヤが降りてくる。すると、ロビーが少しザワついた。
「あら、刑事さん。昨日は雨だったけど、今日は晴れだし、帰れるわよね?」
「はい、昼には迎えが来ると思います。が、その前にやらねばならないことがあります」
「あぁ、犯人が判った。本庁が来る前にカタつけちまうぜ」
より一層ざわめく。
「まず、自殺の可能性は全くありません。詳しくはここでは言いませんが、どうしても知りたい人は私に聞いて下さい。気分が悪くなっても責任が取れません」
誰も聞こうとはしないだろう。しかし、事件の真相は知りたい筈だ。
「んで、犯人なんだが。まずこれだけは知ってほしいんだが…」
マサヤは一旦区切り。
「全員が全員、社長に対して何かの恨みがある」
またざわつく。自分が犯人だと疑われてるようなものなのだから。
「なるほど。マサヤさんは俺達には動機があると言いたいのか?」
「そうとも言えません。社長は顔を隠していましたし、そもそも皆さんに大々的に見せるものでもありません」
「じゃ、なんで見せつけたかって言うと、『俺達に気付かれないのを恐れたから』だ。そうだろう?お前さん」
全員がこちらを向く。大勢に見られるのは初めてだ。しかし予想できてたことだ。
「アリア…」
エルは私の名前を呼ぶ。理解出来てないのだろう。
「私達を招待したのは貴方。社長が色々な悪事を働いて居るのが許せなかったから。ですか?」
「まって下さい!そうだとしても、アリアが社長を殺すまでする事はないと思います!」
モネが必死に庇ってくれる。そこまでしてくれると思わず、言葉が出ない。代わりにマサヤが話す。
「写真を撮られ、悪事の犯人に仕立てあげられそうになったのが分かって阻止しようと思ったんだろう」
写真も見せつけてきた。
「でも…だとしても!」
「いいの、モネ。もう決めた事なのよ」
「やはり……貴女は捕まる気で居たんですね」
全員が驚いてる。静かに頷いて、
「そうです。人を殺すなんて罪を被って居るのですから、ここに居てはいけません」
「自主しなかったのも、ついてきてたのも、気付かせる為……」
「はい、間違いなくその通りです」
「なんで…なんでそんなことを!嘘って言ってよ!」
「……いいえ、嘘なんて、言えない。あの時の決意は消せない」
あの時…殺す前のことを思い出す。


社長が部屋から居なくなる時。わかり易い所に証拠を置いた。同時に、私が証拠を見つけた写真と、戻してる写真があった。…罪の擦り付けだろうか?写真達を見てるとそう思えてくる。
外に出た。社長はゴンドラに乗ろうとしていた。彼は気付くと振り返り、嘲って前を向き直した。
「なんだ、顔が見たかったか?生憎、まだ見せる気はなくてね。あぁ、君が悪い事をしたら、見せようか?」
「そうですね。なら、すぐに見れると思います」
言った時には縄を挙げていた。素早く首に巻き、絞めた。呻き声は下のざわめきで聞こえない。静かになって、呟く。
「大丈夫です。私も逝くとしたら地獄そちらですから」
監視カメラは丁度ゴンドラが見えない位置にある。モネとエルには悪いが、嘘をついて『三分後にゴンドラを下げろと言われた』と言って、何事もなかったかのように会場に行ったのだ。


「彼は、もう更生なんてできない。でも、悪事を働いた罪人だろうとも、人を殺めるのは罪。私も死ねれば、すぐに地獄へ逝けたのに、ためらってしまって。だから、私も罪を償うんです。私はそう言う性格だから。ごめんね、モネ、エル」
「後は、署で伺います」
サクラは扉を開ける。そこにはパトカーが停まってる。
「アリア…また、会えるかな?」
「残念ながら、殺人の罪は軽くありません。会えるとしたら、数年後になります。もしくは…」
「それでも、信じてるから」
モネは、涙を浮かべて笑った。

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望仁香
望仁香
お手柔らかにお願いしますm(_ _)m 誤字・脱字多々あると思われ…… 書くジャンルはバラバラになるかもしれないです。
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