「私も…会えてよかった…菜々美っ…」
記憶の中でも残っている大切なものって
あるんだなぁ…と実感した。
こんなにも全てを忘れているのに
母だけは覚えている…これは奇跡なんじゃないか。
だからこそあの8人との記憶を取り戻したいと
強く思ってしまうのかもしれない。
「お父さん…は…?」
「お父さんの記憶はないの?」
「1度も会ったことない。」
「そっか…お父さんは今ねアメリカに居るの」
「え?」
「出張中」
「そっか…だからかもね」
「え?」
「眠っているときお父さん1度も
出てこなかったの。」
「そうなの?」
「会うの…楽しみだな」
「じゃ早く記憶、取り戻さないとだね」
「うん」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。