「フクナってさ眠ってた4年間
どんな生活してたの??」
「え?あーっとー…」
急な質問に少し焦った。
「長くなるけど…いい?」
省略して話せる気がしなかった。
「うん、いいよ」
モモはなんとなくそう言ってくれる気がした。
「私ね、中3の時からの4年間しか記憶がないの。
夢の中でも今も。たった4年間の記憶しか。」
「そうなんだ…」
それから私は約1時間に渡りこの4年間の
話を隅から隅までしっかり話した。
健斗と葵と出会ったときのこと、
フクナと呼ばれ始めたきっかけのこと、
星ヶ浜のこと、告白されたこと、
プロポーズされたこと、中学、高校のこと、
同居の約束のこと、そして階段で頭を打ったこと。
「すごい…よ」
「すごい?」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。