第6話

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2021/01/30 10:03




大和さんが結婚なんていうから...!






「三月くんも、なにか悩んでることあったら言ってね」




「...おう」






「私、三月くんの彼女なんだから。もっと三月くんに頼られたい」






にこっとはにかんで言うあなた。
可愛すぎる...!





「ああ、わかった」





「...」







...。
ああ、また沈黙。







「マルゲリータと、ハンバーグセット、お待たせしました」







「ありがとうございます」






「わー、うまそうだな!」








「ね、すっごい美味しそう!」








ほっ。
絶対今の俺こんな感じの音ついてたよ。ってくらい安心した。






そんな俺のことには気づかず、綺麗な所作でハンバーグを切り分けていくあなた。
ときどき落ちてくる髪の毛を、耳にかける仕草が色っぽい。






「...ねえ三月くん」





「ん?」





「今日大和さんから、結婚って言われたんだけど」





「ぶっ!」






げほっげほっと咳き込んでしまう。
ここねがお茶を渡してくれたおかげで、すぐに落ち着けた。






つくづくいい子だと思う。
俺には、ほんともったいなくないか?






「げほ...ありがと」






「大丈夫?ごめんね、変な話持ち出して」





「いや大丈夫...んで、さっきの続きは?」






口をティッシュで軽く拭き、ちらりとあなたを盗み見る。
ちょっぴり顔が赤く見えるのは、俺の気のせいか?







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