第12話

12Daily‪‪𓂃 ☀︎*.。
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2021/05/10 08:35
その日の夜。僕らは皆で今までの事を話していた。全員が話終わった瞬間…帝の容態が急変した。
酷く咳き込み、痙攣する帝。その様子は今までの発作とは明らかに違っていた。
いち早く反応したのは凛ねぇだった。ナースコールに素早く駆け寄り帝が急変した事を告げる。
_汐瀬@シオセ_ 帝
汐瀬シオセ
…はは…もっと生きたかったな…。
健康な体で、碧依とも兄妹じゃなければよかったのに…。在り来りな遺言かもしれないけど…遺言状、書いといたから。後で絶対見てね……。
最後の方の言葉は掠れていた。それでも最期に伝えたい事があるのかもう声がでない為口の形で伝える。帝が最期に言った言葉は、『碧依、愛してる』だった。
瀬尾 _碧依@アオイ_
瀬尾 碧依アオイ
僕も…僕も愛してますから…。残していかないで下さい…。僕1人じゃ生きていけない…。一緒に連れていって下さい…。
頬を温かいものが流れ落ちる。帝に手招きされて近寄るとグイッと体が引き寄せられた。
……これがキスなのかな。キスは、味がするというが味よりも体が震えて全身に感動を覚えた。
唇が離れると帝は悪戯っぽく微笑んでそのまま目を閉じた。
「大丈夫ですか!?」
今更駆け付ける医者。…もう帝はこの世にいないのに。何の為に来たんだろう。心音を確認してゆっくり首を振る。見ただけで分かるのに。態々確認しなくてもいいじゃないか。…帝が死んだ事を再度知らせなくてもいいと思う。
………帝の遺言状を確認したら僕は消えようかな…。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
遺言状は病室の机の引き出しにあった。
沢山書かれていたが僕に書かれた内容は「自分を大切にして欲しい。出来れば、天命を迎えるまで此方には来ないで欲しい。碧依には、長生きして欲しいから。」大体そんな内容だった。
……………自殺も出来ないじゃないか。貴方に願われたら僕はそれに従うしかないのに。貴方がいない世界で生きていけなんて。


























































































…嗚呼、そうだ。僕にはあの子がいる。僕にそっくりのあの子が。あの子に代わりを任せて、説明を頼んで、僕は眠ろう。
瀬尾 _碧依@アオイ_
瀬尾 碧依アオイ
…迷惑を掛けます。ごめんなさい。でも、僕はこれ以上ここに居たくないんです。ごめんなさい。…お休み。
それが"碧依"の最後の言葉だった。
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