第13話

13Daily‪‪𓂃 ☀︎*.。
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2021/05/10 12:17
瀬尾 凪
瀬尾 凪
……………え?
数秒前碧依が「…迷惑を掛けます。ごめんなさい。でも、僕はこれ以上ここに居たくないんです。ごめんなさい。」と言い終わった瞬間、何か…碧依の雰囲気が変わった気がする。…この人は碧依なのか?
葵
初めまして、ですよね。
僕は葵です。…多重人格って言ったら分かりやすいですか?僕は碧依の人格。碧依がこの世界から逃げる為に作り出した碧依そっくりの人格です。…碧依は居ますよ。僕の中に。でも、思い出の中で眠っています。天命を全うするまでここに居たいそうです。気持ちが落ち着いたら出てくるかもしれませんが何時出てくるのかは分かりません。因みに僕の人格年齢は12歳です。
葵、と名乗った少女は淡々と告げた。
正直何が何やら分からないし混乱している。
多重人格…それについて兎や角言う気は無い。大人びていても碧依はまだたったの9歳なのだから。
…人格年齢…?人格も人間だから年齢くらいあると思うが碧依より歳上と言われるとよく分からなかった。俺は多重人格について知識が余り無い。
……どうしよう。碧依の意思を尊重したい。でも、葵と名乗る少女を信用してもいいのだろうか…。
葵
信用出来てないようですね。
どうぞ何でもお聞き下さい。
あと、僕の名前が紛らわしい様なら『偽物』とでもお呼びください。
「僕は主人…碧依の為に居る存在ですから。」と目を伏せて葵が付け加えた。
俺も分からない事が多かったので言葉に甘えて色々質問させてもらった。質問し終わると続けて紅音、凛、朱香も葵に質問した。
葵
さて、これで僕の事は分かりましたか?これから僕は碧依として過ごさせて貰います。僕の事を他の方に言いたければどうぞ。でも、碧依を出すつもりはありません。まだ心の傷は癒えていませんし本人も出るつもりはありませんから。
言い終わると葵は本当に碧依の様に振舞った。真実を知らない人が見たら絶対に騙されるだろう。






















































































─────いつか妹に会える日は来るのだろうか。
それまで沢山碧依の体と葵と紅音を甘やかそう。シスコンだと言われてもいい。何と言われてもいい。これしか妹の心を癒す方法は考えつかなかった。
END‪‪𓂃 𓈒𓏸☀︎*.。

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