3日目朝。男子の大部屋に爆音のアラームを投げ入れて食堂に向かう。後ろから叫び声が聞こえたけど気にしない。
現時点でマネージャーは1人。朝食の準備は音駒の1年生が手伝ってくれた。
朝食を食べ終わった時、ちょうど白鳥沢の面々が食堂に顔を出し始めた。
1年生が遠征についてくるのは初めてで、工はレギュラーとってるからうっかりしてた。
食堂を出てドリンクの準備をする。体育館に椅子を並べ終えたくらいに、体育館にもう一つ集団が入ってきた
梟谷学園が到着して、メンバーが揃った。
そう言いつつも少し表情が和らいだ気がした
その後の試合も少しごたつきはありながらも天童先輩はしっかりとチームをまとめていた。監督もすっかり褒めていた。
午後のローテも全部終わって、合宿所に戻る。ミーティング資料を監督に届けてから戻ったから1人だ。薄暗い廊下が薄気味悪くて、
ガタン
廊下の奥で大きな音がした。足がすくんで動かなくなる。
誰かいるの?
おそるおそる進んでいく。
偽物の敬礼をして、いい子ちゃんアピールをする。でも天童先輩は完全スルー
ポツリ。と。本音が漏れたような。
「こっちおいで」と自分の隣をトントンと叩いた
そういう風に優しくされると今まで悩んでたことが全部飛んでいくような錯覚に襲われる。実際は全然そんなことないのに
精一杯の笑顔を貼り付けたのに
この人はなんでも見透かす
嘘。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!