佐々木異三郎、あの男は真選組を救うためいや、自身の侍の矜恃がため天導衆をたかばった。だが…烏はそれを見逃さなかった。佐々木は死ぬはずだった。妻子と共に。だが烏は斬るべきものを斬らなかった。佐々木も斬らなかった。本当に斬るべき敵を見据えたからだ。━その後だ、一橋公にとり入った佐々木がその手腕で一橋公の勢力を定々に唯一対抗できるまでに大きくしていったのは幕府での一派の地位、自身の地位を確率すると共に見廻組を立ち上げ攘夷志士と接触しその力すらとり込んだ。そして高杉らと共謀し定々を暗殺、その後継である茂々まで失脚に追い込みついに一橋に天下の覇権を握らせ巨大な権力を掴むにいたった。だかそれもあの男にとっては途上でしかなかったのだ。佐々木があの時見据えた敵は…妻子を殺した一羽の烏でもそれを動かした定々や天導衆でもなかった。あの男の敵は…佐々木異三郎、自分自身。奴らが喜々と共にあちこちで強権しを示し、反勢力を弾圧・粛清し続けていたのは自らを新政権の悪政を担う象徴とし民草の敵となるため奴らはそれより反乱勢力の決起を促し時代の色を「倒幕」へと塗り変えようとしている。近藤をとらえ真選組を解散させたのも全てその布石、お前達に反乱を引き起こさせ自らと共に「侍の時代」を終わらせるためだ。
…!!
お前達と同じただの謀反人だ
「ドォォン、爆破音」
こ、こいつは…
いやはや悪役というものはなかなか骨が折れますね。あっちこっち敵だらけだ。もう誰もメル友にはなってくれそうもありませんね。よろしいエリートは善事を行う時も悪事を行う時もエリート、全員まとめてこの魔王佐々木異三郎がお相手いたしましょう。ただし土方さんアナタは別です。鬼の相手は片手間じゃ務まらない、スグに片付けるので少々お待ちいただけますか
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異三郎は世に反乱を火矢を放った。でも奈落はいち早くそれに気づいた。「倒幕」の炎が国中に拡大する前に反乱勢力が幕府を覆す勢力になる前に火種そのものを完全にかき消そうとしている。だから異三郎はここで起こる戦火を利用するつもり。異三郎を動かせる勢力の全てをこの島に投下、反乱勢力と奈落にこれをぶつけその全てを壊し尽くし国の力を削ぎ落とそうと
敵も味方もまとめて潰し合いをさせるだと。国をごと引きつれて切腹でもしようってのか奴ぁ。そんな戦があるのかよ。そんな大将があるのかよ。てめェの大将が国と心中すんのを黙ってて見てるつもりはてめェは
…それが私の役目だもの
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〜過去シーン〜
…童、何故斬らなかった。お前は言った。私もお前も既に道理から外れた人殺しだと、その通りだ。今の私は子供のお前を斬る事に何の躊躇いもない。なのに何故私を斬らない。何故そんな涙を流す
…解らない。なんでこんな涙が出てくるのか、なんでアナタを斬れないのか、なんでアナタ達を斬らなければいけないのか。昔…ある人が教えてくれた、人は生まれた時から弱さを抱えて生まれてくる生き物だって。でも弱さに振り回されて苦しむだけの生き物じゃない。弱さに抗い自分を変えようと苦しむことができる自由な生き物だって。だからなのかもしれない。アナタ必死に抗っていたもの。私も抗わなきゃいけない。私にあなたを斬る資格はない、あるのは斬られる資格だけ。
…お前が斬られる事を望むなら私はお前を斬らない。私が斬らなければいけないのはこんな蛮行が国によって行われるこの時代、そして…その時代だから何も護れなかった自分自身だ。…私のためにその剣を使い続けろ、そして来るべき時がきたらその剣で私を斬れ。それが私の復讐だ
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━そう、それが私の役目。異三郎の妻子を奪っておきながら異三郎を斬れなかった。生きながらえさせてしまった。私の最後の役目、今度こそ私が斬ってあげるの私があの人を終わらせてあげるの
「涙を流す」
!!
「二人を止める」
!!
そこまで!!もういい…もう十分アルお前ら
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。