第27話

第27回(さらば真選組篇十一)
713
2020/08/13 14:00
桂小太郎
桂小太郎
近藤勲
近藤勲
…何人だ
桂小太郎
桂小太郎
気づいたか。恐らく十数人…奈落か人数からいって銀時達の動きに気づいたワケではなさそうだ。正面は見廻組に任せて奥地を巡回していた一部隊か
天照院奈落
「桂達の方へ向かっていく」
桂小太郎
桂小太郎
先にいけ、このまま行けば銀時達と合流地点を知られる。それにここでお前に死なれては真選組の協力も得られなくなるしな
近藤勲
近藤勲
…いけとっつぁん
松平片栗虎
松平片栗虎
近藤勲
近藤勲
悪いが俺は脱獄こそしたが攘夷志士おまえらと協力するなんて約束した覚えはねェ。好きにやらせてもらうぜ
桂小太郎
桂小太郎
お前…
松平片栗虎
松平片栗虎
近藤…
近藤勲
近藤勲
いけェェェェ!!とっつぁん
松平片栗虎
松平片栗虎
(大層な事を謳っちゃいたが要は野良犬同士で噛み合いさせようって話だ。幕府おうえはいつ攘夷志士わるさしでかしてもおかしくねェ。奴等ゴロツキどもを集め剣を与え使命を与え侍を気どらせ攘夷志士を潰し合いをされるつもりだった。それが皮肉なもんだ、新時代が旧時代になり侍が滅んでいく今…最後に残ったこの国を護る希望が、その野良犬どもはぶつかり合い競い合い、共に幾多の戦いを越えてきた野良犬どもの牙は、いつしか侍の刃を噛み砕く程に…研ぎ澄まされた。てめェらはもう…野良犬なんぞじゃねェよ、気高い狼だ)
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「カァカァ、カラスの鳴き声」
山崎退
山崎退
うわっ下見ちゃった
坂田銀時
坂田銀時
上だけ見て進め。下見たら足動かなくなんぞ。そいつが山登りの鉄則だ
山崎退
山崎退
うるさいなもう、あっちいけ気が散る。じ…じゃあ山降りる時はどうすんですか?
沖田総悟
沖田総悟
簡単だ、目ェつぶってその縄離せばいい。登る前から降りる事考えてる奴はさっさと落ちて目玉つつかせろって烏も言ってるぜ
山崎退
山崎退
隊長、不吉な事言わんでください
土方十四郎
土方十四郎
━近藤さん、俺達がいくまでこらえてくれ
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桂小太郎
桂小太郎
なめられたものだな。攘夷志士の桂小太郎と真選組局長近藤勲、俺達にさし向かれた刺客がこれだけとは
近藤勲
近藤勲
俺達を潰してェなら軍隊一つ引き連れてくるか、それとも…桂小太郎を連れてこい
桂小太郎
桂小太郎
近藤勲を連れてこい
近藤勲
近藤勲
つめりお前達は唯一俺達を殺せる宿敵そんざいを両方相手どってしまったんだ。俺達にもう敵はいない
桂小太郎
桂小太郎
俺達にもう敵はいない
近藤勲
近藤勲
これで全部か
桂小太郎
桂小太郎
いや相手は奈落だ。俺達の姿を捕捉した時点で他の部隊にも情報が伝わっているはずなのに援軍もなしにこれで終わりの事自体おかしい
「バサバサ、カラスが飛んでいる」
桂小太郎
桂小太郎
まさか…!!
近藤勲
近藤勲
桂!!
桂小太郎
桂小太郎
近藤急げェェ!!
近藤勲
近藤勲
どういう事だ桂!!
桂小太郎
桂小太郎
敵を足止めしたつもりが足止めされてたのは俺達の方だったんだ
近藤勲
近藤勲
!!
桂小太郎
桂小太郎
援軍などくるはずもない…。奈落てきの本体は既に…銀時達の頭上だ。烏の目は既に銀時達を捉えていて。奴等は俺達が合流する前に各個撃破しようとその分断を狙っていたんだ
近藤勲
近藤勲
ぐっ!!トシ達だけじゃね、このままじゃ一人であっちへ向かったとっつぁんも…
佐々木異三郎
佐々木異三郎
「銃を構え撃つ」
桂小太郎
桂小太郎
「近藤を庇い、撃たれる」
近藤勲
近藤勲
桂ァァァァ!!
佐々木異三郎
佐々木異三郎
「もう一度撃つ」
近藤勲
近藤勲
「桂を抱え木に隠れる」
オイ桂!!しっかりしろ桂!!
桂小太郎
桂小太郎
騒ぐな、ヘソが一つ増えただけだ。だがどうやら人の心配をしている場合じゃなくなったらしい、最悪のタイミングで…
佐々木異三郎
佐々木異三郎
時間切れです
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天照院奈落
「弓を引き撃つ」
みんな
「剣や傘で弾く」
志村新八
志村新八
あわわわ
土方十四郎
土方十四郎
散らばんなァァ!!岩壁を盾に点になれェェェ!!
神楽
神楽
こなくそォォォォ姑息なマネしやがって、みんなァ私の後に続くアル
「弓が岩にあたる」
神楽
神楽
「岩が砕け落ちる」
志村新八
志村新八
あっ
あなた
あなた
神楽ちゃんんん!
沖田総悟
沖田総悟
「刀を口にくわえ神楽の手を掴む」
あなた
あなた
第二派が来ます!
坂田銀時
坂田銀時
神楽ァァ!!
土方十四郎
土方十四郎
総悟ォォ!!
神楽
神楽
離せ…早く離せェェェ!!
「ガタガタ、地割れしている」
エリザベス
エリザベス
「地下からドリルで穴を掘る」
天照院奈落
!!
「エリザベスが掘った穴の中から攘夷志士、真選組が出てきて奈落と戦う」
朧
ほう、我等の接近に気づいていたか。奴等は我等の矛先を向けるエサ、そのスキに背後を突く穴をうがっていたと…どうやら烏達おまえたちより優秀な密偵がいるようだ
山崎退
山崎退
フゥー、監察の先輩としてアドバイスしてやろうか。君のように下だけ見て翔んでいても上だけ見て山登りしていても足りない。下も上もよく見る事、それが監察の鉄則だ烏くん
坂田銀時
坂田銀時
「山崎を踏む」
山崎退
山崎退
「銀時に踏まれる」
後ろは見てなかった
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「ワァァァァァァァ、戦っている」
エリザベス
エリザベス
(私が指揮をとる、一気にたたみかけるぞ)
斉藤終
斉藤終
(いや指示するならやっぱりノートの方がみんな見やすいんじゃないかな)
エリザベス
エリザベス
斉藤終
斉藤終
エリザベス
エリザベス
「プラカードを投げる」
斉藤終
斉藤終
「ノートを投げる」
エリザベス
エリザベス
(もはや)
斉藤終
斉藤終
(言葉はいらぬな)
エリザベス
エリザベス
(━敵の背中にはガケ)
斉藤終
斉藤終
(俺達の背中には…)
エリザベス
エリザベス
(お前がいる)
斉藤終
斉藤終
(お前がいる)
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沖田総悟
沖田総悟
…遅せぇ、やっときやがったかアイツら。これでようやくしかえしができる。ふんがぁぁぁぁぁ!!
神楽
神楽
ぐげふ!!
「奈落と衝突する」
天照院奈落
!!
坂田銀時
坂田銀時
「奈落の足を掴み、振り払う」
土方十四郎
土方十四郎
「奈落の足を掴み、振り払う」
踏みにじれェェェェェェェェェ!!
「ワァァァァァァァ、戦っている」
朧
…フッ野良犬の群れがよくここまで駆け登ってきた。よくここまでその牙を鍛えあげた。だが
山崎退
山崎退
「がぁ、矢が刺さる」
土方十四郎
土方十四郎
てめーら!!
朧
ここまでだ。頂きに立つも天はなお遠し、これよりさきは八咫烏の導きなしにはゆけぬ。黄泉路だ。進みたくばその汚れた身を捨てて参れ。さればその御魂はこの烏達が羽に乗せて運んでやろう。お前達の近藤なかまの元へ、松陽のいる冥府ところ
坂田銀時
坂田銀時
やれやれ…ひでェ景色だ。ようやく山頂まで登ったってのにここも烏のフンまみれとはね
先いけ
土方十四郎
土方十四郎
!!
坂田銀時
坂田銀時
烏のフン掃除なんざ警察のお役目じゃねェだろ。さっさとゴリラのフン片付けてこい。それに奴ぁ俺の客だ
沖田総悟
沖田総悟
それじゃあ旦那はそっち俺ァあっちですね
土方十四郎
土方十四郎
総悟…!!
沖田総悟
沖田総悟
本当は俺もいきてェ所だが残念ながら俺にゃ近藤さんに与えられた役目がある。俺は真選組一番隊隊長沖田総悟、先陣きって真選組よ道を切りひらくのが役目だ。そしてアンタは真選組鬼の副長土方十四郎、その道を振り返らずゆくのが役目でさァ。土方さんいや…副長局長を頼みます
土方十四郎
土方十四郎
…よくきけ。真選組局中法度に最後の一条を加える。今迄命を懸けて守り続けてきた46条の局中法度、たとえそれら全ての禁を犯す事になろうとも生きろ

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