第82話
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時間が過ぎるのは
あっという間で、
もう夏休み間近だ。
夏休み前の体育祭準備は終え、
文化祭ライブの目処も立った。
私は配られたプリントに目を通す。
ドラムが2人、なおかつさかたんが
始めたてと言うことだったり、
私の出来るパートが人手不足だったりで
私のパート量は凄まじかった。
4部全て、全曲に出演。
仕方ないことだと分かっていたが、
あまりにも多い。
皆も凄く気にして
配慮してくれようとしたが、
「自分に出来ることなら」と
引き受けることにした。
前回のライブとは比にならない量。
でも私は今の実力を全て
この文化祭ライブにかけることにした。
気がつくと皆が日常会話に
内容をシフトさせて盛り上がる中、
私を心配してうらた先輩が
私を覗き込んでいた。
きっと険しい顔を
してしまってたんだろう。
出来るだけ明るく笑う。
先輩との最後のライブなんだ。
全力を尽くさなくてどうする。
私が明るく返すと先輩は
心配そうな目をしたまま
皆の会話を止めに入っていった。
せっかく心配してもらったけど。
少しくらいは無理をしないと、
この量はこなせないだろう。
…家での自主練量を3倍くらいすれば、
間に合うかな。