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第26話

朱 俺のノート。
俺は淡々と話し始めた。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
俺ね、あなたとは幼馴染なんだ。
まふまふ
まふまふ
えぇ⁉︎そうなの⁉︎
天月-あまつき-
天月-あまつき-
うん。でもあなたは俺のこと、
覚えてないんだ。
まふまふ
まふまふ
どうして?
天月-あまつき-
天月-あまつき-
交通事故に、遭ったんだ…。
俺とあなたは家が隣で

小さい時から仲が良かった。

幼稚園に入るより前から知り合いで

ずっと一緒に遊んでいた。

…あなたが転校するまでは。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
(小学3年生の天月)
あなた、転校しちゃうの⁉︎
(なまえ)
あなた
(小学3年生のあなた)
そうなんだ。お父さんの転勤で…。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
俺、あなたと離れたくないよ!
(なまえ)
あなた
私もだよ、あま君!
離れたくない。

それは俺の本心だった。

あなたは俺の初恋の人だったから。


明るくて可愛くて優しい。

それに加えて大抵のことはそつなくこなす。

あなたは周りからとても好かれていた。


でも俺は周りの奴らよりも

ずっとあなたを

側で見ていた自負があった。

あなたのことを

誰よりも分かっていると思っていた。


あなたへの気持ちは恋だって

気づいていた。

あなたに断られるのが怖くて

関係を壊したくなくて

何も言わずにいた。


離れたくないって

言ったって思ったって

あなたは転校しなくちゃいけない。


小学3年生の終わり。

あなたは転校していった。


あなたは新しい家に荷物を運び終えた後、

両親に連れられて俺の家に挨拶に来た。


あなたも俺も別れが辛かった。

親達、大人同士の挨拶が終わっても

俺はあなたとずっと話していた。
(なまえ)
あなた
あのね!あま君、私ね…!
あなたが俺に何か言いかけた。

あなた父「あなた、そろそろ行くよ。」
(なまえ)
あなた
え、うん…。
あなたはお父さんに声をかけられて

何か言いかけたのを止めてしまった。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
あなた、何を……
(なまえ)
あなた
…。
じゃあね、バイバイ。
あま君。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
っ!
あなたは目に涙を溜めながら

俺に別れを告げた。

俺も、泣きそうだった。

あなたは俺に背中を向けた。


両親の後ろを歩き、

俺から遠ざかっていくあなた。


もう、会えないのかな…。


ふとそう思ったとき

あなたがさっき言いかけた言葉が

気になった。


あなたは俺に何を伝えようとしたのか。

今聞かなかったら

もう一生聞けないのかもしれない。


興味はあっという間に膨れ上がり、

気がつくと俺は

遠ざかっていくあなたに向かって

走り出していた。

俺の親が止めるのも振り切って。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
あなたっ‼︎
もう少しであなたに追いつきそうな距離。

俺は大声であなたを呼んだ。


振り向いたあなたは目を見開いて驚いていた。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
あなた、さっき…!
あなたに叫びながら駆け寄ったとき。

「邪魔だ!」

大きな声の方を向くと

バイクが俺目掛けて猛スピードで走ってきていた。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
あ、あ…。
ぶつかる…!

俺は怖くて動けなかった。


バイクがもう、真横に迫っていた時。
(なまえ)
あなた
あま君…‼︎
俺の目に物凄く必死なあなたが映った。

次の瞬間。


キキーッ!


バイクの遅すぎるブレーキ。

周りの人の悲鳴と

人とバイクがぶつかる重い音が響く。


俺は尻もちをついていた。

あなたが俺を突き飛ばしたからだ。


…俺は助かった。


あなたは俺を助けた代わりに

自らがバイクにぶつかってしまった。

あなたは軽く宙を舞い、

鈍い音を立てて地面に落ちた。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
あなた、あなた…。
どうして……。
俺はあなたの名前を呼ぶことしかできなかった。

俺のせいで、あなたが…!


俺はただ、あなたが言いかけた言葉を

知りたかっただけなのに。

その後、あなたが同じ気持ちじゃなくても

俺の気持ちを伝えたかっただけなのに。


…好きだよって。