第31話
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私は少し感傷に浸っていたものの、
問題について考えなければならないと
意識を戻した。
今、軽音部は
ドラムを叩けるのが私だけらしく、
志麻先輩に誰かに
教えてほしいと頼まれた。
活動の幅を広げるためだろう。
問題は誰に教えるか、ということ。
そういえば私、
皆が何の楽器ができるのか知らない。
体験で教えてもらったから
そらる先輩はギター、
志麻先輩はベース、
まふ君はキーボードが
できることは分かっている。
でも後の皆は何ができるか全く知らなかった。
焦るうらた先輩。
私が素直に応えると、
先輩がものすごく申し訳なさそうに
私に向かって手を合わせる。
気を使わせてしまったみたい。
全然大丈夫なんだけどな…!
私も慌てて自分の非を話す。
この微妙な空気を察して
志麻先輩が話し始めた。
先輩達の説明が終わる。
つまり、
(役割まとめなので呼び名ではなく正式名称)
After the Rain
まふまふ:ベースボーカル
(ギター、キーボードもできる)
そらる:ギターボーカル
浦島坂田船
うらたぬき:ギターボーカル
志麻:ベースボーカル
あほの/となりの坂田。:ギターボーカル
センラ:キーボードボーカル
(ギターもできる、場合によって持ち替え)
ソロ
天月-あまつき-:ギター、キーボードボーカル
(場合によって持ち替え)
ってことか。
先輩達の言う抜けられない3人って
ドラムになったら
演奏のバランスが崩れる人なのか。
志麻先輩が本題に戻す。
今の軽音部は全体的にギターが多い。
ギターのみが3人いるから
他の楽器ができる人が
ギター以外のパートに入ってる。
ってなったら
ギターのみの3人のうちの誰かに
教えるのが1番最善かな…?