私と坂田君が部室に着いたのは
時計を見てから1分も経っていなかった。
坂田君、速すぎる…。
坂田君が勢いよく部室のドアを開けた。
部室には皆勢ぞろいだった。
誰も楽器は持っていなくて、
1つの机を囲って話しているような状態。
確かに。
運動部なんかは夏の大会が終わったら
引退するのに文化祭は秋。
そう考えると遅い。
でも寂しいな……。
志麻先輩がニヤニヤしながら
聞いてきたので
元気よく答えた。
私の転校時期的に考えれば
仕方ないのかもしれないけど、
先輩達とはもっと演奏したかった。
うらた先輩と坂田君の
いつも通りの会話に和んだ後、
私と坂田君も席に着いて
話し合いに参加する。
坂田君がグイグイ質問して
話を広げて行く。
私は必死に聞き取るも、
分からないことの方が多い。
6部中4部……。
皆の雰囲気から察するに
かなり長い時間のライブになるのかな。
6時間⁉︎
かなりの長さにただただ驚く。
皆も同じみたい。
さっきまふ君も言っていたけど、
大掛かりな準備になりそうです。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!