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第21話

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練習を始めて30分が経った。


最近聴いていた曲や

昔習っていた曲は

あらかた弾き終えてしまった。


手の感覚はだいぶ戻ってきている。

聴いたことのある曲を

軽く弾けるくらいにはなっていた。
(なまえ)
あなた
次、何弾こうかな…。
少し休憩がてら廊下に出る。

窓を開け、校庭を眺めていると

まふ君と天月君の声が聞こえた。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
〜〜〜。
まふまふ
まふまふ
〜〜〜!
何を話しているかまでは

分からない。

トイレに行くついでとして

声の方に近づく。


2人は階段の踊り場にいた。

天月君は私に背を向けて話していて

まふ君は私の方を向いていたから

すぐに私に気づいた。
まふまふ
まふまふ
まふ君は天月君が窓を向いた隙に

私の目をじっと見つめてきた。


"今は話しかけないで"

そう訴えているような目だった。


私は無言で頷くと

トイレに行ってすぐ練習室に戻った。


2人は何を話してたのか。

まふ君がどうしてあんなに

必死に訴えてきたのか…。
(なまえ)
あなた
考えてもしょうがない…よね。
何事もなかったかのように

私はキーボードに向かった。

鍵盤に手を置いて一音弾く。


ふと頭の中にメロディーが流れ出す。

指が動いた。

頭と体に染みついたメロディー。


あれ?これ、何の曲だっけ…。

思い出せない。

曲の題名も。何の曲かも。

どうしてこの曲を知っているのかも。


分からないけど指は懸命に動いている。

右手のメロディーに合わせて

即席の伴奏を左手でつける。


この曲弾くの楽しいな…。


私は一曲を勢いだけで夢中になって弾いた。

弾き終えても心が落ち着かない。

私の中が何かでいっぱいになった。