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第52話

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…ずっと、誰かに見られている。

鋭い目付きで誰かが、私を……。


坂田君に勉強を教えた日の

翌日の朝から、おかしかった。

朝練習の後に廊下を歩いている時、

登下校の時、昼休みも。

いつも部員の誰かと一緒にいると感じる

私を集中的に見つめる、視線。

最初は自意識過剰なのかもしれないと

思っただけだった。


軽音部の皆は廊下を歩けば

女子達が顔を赤らめ、

男子も目を見張る。

洗練された容姿と

全員違うけれど素敵な響きを持つ声。

生徒から常に注目されている。

皆を見つめている視線の1つが

私にたまたま向いていただけだと思った。


ある日靴箱を開くと封筒が入っていた。

中には鋭い文字が並べられた手紙と

私の写真…。

登下校や授業中、部活中に皆と笑う私。

皆のことを好いている女子が

私への腹いせに行ったことだと思い、

皆には一切話さなかった。


私が誰かの気にさわることを

してしまったのかもしれない。

その"誰か"に謝りたくても

見当もつかない。

ただただ、恐怖が募っていくばかりだった。


"誰か"からの嫌がらせは日に日に

エスカレートしていった。
(なまえ)
あなた
……はぁ。
嫌がらせが始まって5日目。

今日も靴箱には封筒が入っていた。


中身は手紙と写真。

また嫌がらせだろうと

何のためらいもなく開いた。
(なまえ)
あなた
った!
封筒の裏にカッターの刃が貼り付けられていた。

私の指が小さな切り傷ができる。

封筒の中には手紙と写真、

絆創膏が入っていた。

手紙には「大丈夫?これ貼ってね!」と

書かれている。
(なまえ)
あなた
…誰が、何のために……⁉︎
正直私の精神は少しずつ

追い込まれて来ていた。


誰かがいつも、私を見ている……。

何をするのも怖くなってしまった。


約束したからと坂田君に勉強を教えた。

まふ君やセンラ君も一緒に。

部活にもできるだけ顔を出した。

だけど、皆に迷惑をかけなくなくて

お昼ご飯は1人で食べて

登下校も移動教室も1人。


今日は金曜日、週の終わり。

明日は休日練習がある。


行きたくないな…。

皆にも、被害が出てしまうかもしれない。

私と近づき過ぎていたら

ストーカーの気にさわってしまう

かもしれない。


楽しかった私の学校生活が

"またも"崩れ去ろうとしていた。