第68話

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2020/01/28 13:42
暗転の間にうらた先輩と坂田君が

ステージ袖に入り、

天月君が出てくる。

そして明転。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
どうもー天月でーす!
まだまだ騒げますかー?
天月君の声の何倍もの大きさで

返ってくる声援。

天月君は少し頬をゆるめると

MCに移る。

天月君はソロなのでバックの

志麻先輩とセンラ君、私も一緒に

MCに加わった。


少し話すと皆でアイコンタクトした後

センラ君のキーボードと

天月君のささやきからスタート。

私もコーラスを歌う。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
好きの 気持ちは 止まらない のです
天月君と志麻先輩の

息ぴったりなメロディと

正確に、綺麗に響かせる

センラ君のキーボードと私のドラム。

天月-あまつき-
天月-あまつき-
かいしんの いちげき!
君が 笑うから?
わからない 宿題が ありすぎて
教科書には載ってないよ
ただ ただ 気持ちの向く 方へ
笑顔でギターを片手に

声を会場いっぱいに響かせる天月君。

優しく、でも力のある声は

ラブソングと相性バツグンだ。

天月-あまつき-
天月-あまつき-
もう1曲!
俺の気持ち、"君に届け"ー!
天月君はMCを挟まずに

曲名を叫んだ。

静まった会場に

センラ君のキーボードが響き、

それに続いて皆の音も乗る。

天月-あまつき-
天月-あまつき-
君に 逢えたこと 本当に よかったと
そう 言える その笑顔を 守りたい
来年も 再来年も 今以上に 君が好きで
それ くらい 僕の 全てで
サビに入り一層盛り上がる。

1つ1つの言葉が

すごく私の心に響いている。

誰かのために歌っているような、

それがまるで私のためのような。

そんな感じがしてしまう

天月君の表現力。

天月君の爽やかで優しく、

時に力強い声は青春の香りがする。

天月-あまつき-
天月-あまつき-
ありがとー!
天月君は眩しい笑顔でお辞儀をした。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
ライブもクライマックスだよ!
最後は新入部員、あなたちゃん!
ステージが暗転すると

皆が素早く移動する。

私は皆の準備ができたことを確認して

照明に合図した。


ステージが再び明転。

私のステージが始まった。
(なまえ)
あなた
皆さん楽しんでますかー?
あなたです!精一杯頑張ります!
お客さんに手を振りながら

マイクを持って話し始める。
うらた先輩に事前に

MCはしなくていいと言われていた。

なのですぐに曲に移る。
(なまえ)
あなた
聴いてください、
エイリアンエイリアン!
まふ君の近づいてくるような

キーボードから始まったのは

エイリアンエイリアン。

高いキーボードとギター。

それと対照的な志麻先輩のベースが

激しさの中で艶っぽく響く。

(なまえ)
あなた
エイリアン わたし エイリアン
あなたの 心を 惑わせる
交ざりあう 宇宙の 引力で
感じてる気持ちは トキ メキ
原曲キーのままなので

サビはかなり高音。

ドラムを乱さないようにしながら

インカム式マイクに全力で叫ぶ。

(なまえ)
あなた
最後の曲です!
私はステージに上がってきた

坂田君にスティックを渡し、

志麻先輩からベースを受け取る。


ベースを握りしめ、坂田君に視線を送る。

坂田君のカウントから始まった

悪役にキスシーンを。

正確なまふ君のキーボードに

楽しんでいるのが伝わる坂田君のドラム、

そらる先輩の引き締まったギターに

私はベースで乗る。

(なまえ)
あなた
なぐさめの言葉 どれだけ並べたって
結末はもう 変わりは しないし
ちゃんと君が 大 嫌いに なれるように
最低 最悪の 僕を 演じるよ
メロディとリズムの違う

ベースを保つのは大変だけど

今はそれも楽しい。

サビはより切なさを際立たせるように歌う。

(なまえ)
あなた
ありがとうございましたー!
歌い終わって私は

勢いよくお辞儀をする。

お客さんからたくさんの拍手をもらう。


生徒「「「「アンコール、アンコール!」」」」


私は皆の方を振り向く。

するとうらた先輩がステージに上がってきて
うらたぬき
うらたぬき
アンコールありがとー!
最後にもう1曲聴いてくれるかー?
大きなお客さん達の声が

会場を埋めつくす。

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