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第97話

青 俺のノート。
中3の秋。

俺は運動会の練習の時に

落としたペンを探して

放課後の校庭を歩いていた。
そらる
そらる
(中学3年生のそらる)
この辺だと思ったんだけど…。
ずっと大事に使っていたペンだったので

必死に探すも見つからない。
(なまえ)
あなた
(中学2年生のあなた)
……あの、探し物ですか…?
か細い声がして顔を上げると

長い前髪と分厚いメガネの"例の子"がいた。
そらる
そらる
あ、あーそう。
(なまえ)
あなた
私なんかで良ければ……
一緒にお探ししますよ…。
例の子は消え入りそうな声でつぶやく。

声自体は小さいが

1つ1つの音が綺麗に聴こえる

クリスタルのような声だと思った。


当時の俺は例の子相手に

何考えてんだと思ったけど。

そらる
そらる
えっと……お願い、していいかな?
せっかく言ってくれたのでお願いすると

口角が少し上がったように見えた。

噂に聞くような不気味さは

感じられなかった。


それから2人で探していると
(なまえ)
あなた
メガネ、邪魔……。
ボソッとした独り言を聞いて

例の子の方を向くと

分厚いメガネを外していて、

長い前髪で邪魔されているものの

ぱっちりとした目が見えた。
そらる
そらる
えっ……。
うっすらと見える彼女の顔は

とても美人で。

噂で伝わっていた地味子なんて

どこにもいなかった。
(なまえ)
あなた
…!……私の顔、不快ですか…?
俺が見すぎたからか

例の子は俺の様子をうかがっている。


"不快"って……。

彼女がいじめられているのには

何か事情がありそうだ。

そうそう自分の顔に

不快なんて言葉は使わない。
そらる
そらる
いや…そんなこと、ないけど……。
(なまえ)
あなた
そうですか、なら
良かったです……って、あ。
お探しのペンは
これじゃないですか?
例の子が持っていたのは

探していたペン。
そらる
そらる
あ!そう!
本当にありがとう、助かった。
(なまえ)
あなた
…‼︎……いえいえ。
この学校の誰かが…困っていたら
助けるのが私の役目、ですので…‥。
俺が見つかった嬉しさに

勢い余ってお礼をすると

彼女はうつむきがちに言った。

⁇「あなたちゃーん。どこー?」

誰かが彼女を呼ぶ声がする。


名前、あなたって言うんだ…。
(なまえ)
あなた
…。……では、失礼します。
見つかって、良かったです…。
そらる
そらる
あ、ちょっと待って。
立ち去ろうとする彼女を引き止めて

前髪についた葉っぱを取る。


一生懸命探してくれたんだなぁと

思って葉っぱを見せて微笑むと
(なまえ)
あなた
あ、ありがとうございます…!
失礼します‼︎
少し微笑み返してくれたのもつかの間、

さっきの声のする方へ

そそくさと走って行った。

??「…遅いんだけど。何してたワケ?」
(なまえ)
あなた
…ごめんなさい。用事があって……。
??「へぇ〜、そう。……言い訳とかいらないから。」

それからずっと罵声と

鈍い音が聞こえてきた。


彼女は俺といたことを隠した。

俺が標的にされないために。


俺には割って入って行く

勇気はなく、その場を立ち去った。
そらる
そらる
マジかよ……。
その出来事以来、彼女とは

会えなかった。

いじめが収まったなんてことは

聞いてないので続いていただろう。


高校で初めて会った時、

名前を聞いて「もしや…」と思ったけど

あなたくらいよくいる名前か、と

考え直した。


それに中学の時とは様子が違ったから。

控えめで優しい性格は

変わってなかったけど。


あなたとの接点があったことに喜ぶ一方、

それはつまりあなたが中学の時に

"いじめ"に遭ってたと言うことだ。


そんな様子、あなたは1度も見せてない。

俺はこの時からあなたが心配になった。