無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第90話

紫 俺のノート。
あなたに見入っている内に

花火が終わった。

慌てて視線を空に戻す。


駅に戻ろうと長い石段を下りていると

後ろから悲鳴が聞こえた。

振り返るとあなたが

倒れかけていたので支える。

下駄の鼻緒が切れたらしい。


このまま歩くのは危ないよな。

俺は遠慮するあなたを押し切って

背中にあなたを乗せて立ち上がる。


何を食べてるんだと思うくらい軽い。

背中に感じるあなたの体温と

首に当たる息がくすぐったかった。


駅に着いてあなたを下ろす。

電車に乗ってすぐ。

あなたの頭が俺の肩に乗った。
志麻
志麻
え、あなた何して…。
(なまえ)
あなた
…すーすー。
慌ててあなたの顔を覗くと

気持ちよさそうに寝ていた。


部活で練習、頑張ってたもんな。

この様子では家でも寝る間を惜しんで

練習してたんだろうな。


たった1駅しか電車に乗らないので

すぐに家の最寄り駅まで着いてしまった。


あなたはと言うと起きる兆しゼロ。

とりあえず降りないとまずいので

あなたを起こさないように

おんぶして電車を降りた。
志麻
志麻
……さて、これどうしようかな。
よくよく考えれば

俺はあなたの家を知らない。

となると俺ん家しかない……?

でもな………。


色々考えたが

このまま悩んでいてもしょうがないので

俺は1人暮らしの自宅に帰り、

あなたをそっとベッドに寝かせた。

俺はソファーで寝るか。


寝室を去ろうとベッドから

離れようとしたら、

あなたの息が苦しそうなのに気付いた。


浴衣の帯が、邪魔なのか…?

俺は何か引け目を感じながら

後ろに付いている大きなリボンと

帯を少し緩めた。


慣れてないことをしたから

少し、胸元がはだけてしまった。
志麻
志麻
…!
慌ててタオルケットをかける。

俺、今完全にやばい奴やんけ…。
志麻
志麻
……ゆっくり、休んでな。
おやすみ。
あなたの柔らかい髪を

1なでして寝室を出た。


明日、起きたらあなたに

色々誤解させちゃいそうやな…。

でもそれはそれで面白そう。


あなたが自分の家にいると言う

優越感とこのスリルある展開に

ドキドキが止まらない俺だった。