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第27話

朱 俺のノート。
あなたはすぐに病院に運ばれて手術をした。

手術は成功した。


命に別状はない。

しばらくは絶対安静の入院。

そう聞いても俺は

罪悪感と後悔でいっぱいだった。


俺の親とあなたの両親が話をしていた。

俺は何度もあなたの両親に謝った。

あなた母「天月君、そんなに謝らなくていいのよ。」

あなた父「天月君が悪い訳じゃないんだから。」
天月-あまつき-
天月-あまつき-
でも…!
俺のせいで、俺のせいであなたが…!
自分の親とあなたの両親になだめられても

俺はずっと泣きながら謝り続けた。

あなた…ごめん……‼︎


数時間後あなたが目を覚ました。

俺はすぐあなたにかけよった。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
あなた、あなた!
俺っ、ごめん…!
一生懸命謝ろうとしたら
(なまえ)
あなた
あ、あの…誰、ですか…?
天月-あまつき-
天月-あまつき-
え………。
俺を驚いた目で見つめるあなた。

俺のことが、分からないみたいだった。


あなたは記憶喪失になっていた。

家族や生活のことは覚えていても

学校での思い出、友達、

俺のことは忘れてしまった…。


俺は親に連れられて家に帰った。

もう隣にあなたの家はない。


もうあなたとは会えない。

あなたが何を言いかけたかは分からない。

俺の気持ちはあなたに伝えられない。


…あなたは俺を覚えていないから。


俺がもっと周りを見ていれば。

俺が早くバイクに気づいて

すぐ避けられていれば。


俺の心は後悔で埋め尽くされていた。


でもあなたはもう俺を覚えてないから

会えなくていいんだよな…。

いつしか俺はそう自分に言い聞かせていた。


もうあなたには会えない。

そう思ってたのに。



あなたはまた俺の前に現れた。

天月-あまつき-
天月-あまつき-
やっぱり俺のことを
何も覚えてないあなたと再会して
驚きと同時に凄く傷ついた。
でも全部自業自得で。
俺はあなたの大切な記憶を
たくさん奪ってしまったのに。
あなたとまた、一緒にいても
いいのかなって。
複雑なんだよ……。
まふ君は時々質問をしたりしたけど

基本、俺の話を黙って

真剣に聞いてくれた。


流石のまふ君でも引いたよな。

俺、最低だし。

まふ君はしばらく黙っていた。

俺もしばらく窓の外を見ていた。
まふまふ
まふまふ
天ちゃんにとって
あなたちゃんは、
特別な存在なんだね。
でもさ、あなたちゃんだって
天ちゃんが大切だったから
守ってくれたんだよ。
まふ君、優しいな…。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
そう、かな…。
俺、どんな顔してあなたと
過ごせばいいか分からないんだ。
「天月君」って、敬語で
話される度に胸が締め付けられる。
まふまふ
まふまふ
でも会ってしまった以上は
しょうがないよ。
だったらいっそのこと
もう一度友達になるしか
ないんじゃない?
まふ君の言う通りだ。

会ってしまった以上

あなたが軽音部に入る以上

接触は避けられない。

なら、もう一度友達になるしかない。


俺を覚えていないあなたと

友達になるんだ。

そしていつか、気持ちを伝える。
天月-あまつき-
天月-あまつき-
そうだよね。
ありがとうまふ君!
俺、頑張るよ!
まふ君と別れ練習室に戻った。

ギターを手に取ろうとした時。

聴き覚えのあるメロディーが

流れ出した。


誰かが演奏してる…?

でも、この曲を知ってるのは…。


聴こえてくる方は足を進める。


ここだ。

俺が立ち止まったドアの奥で

楽しそうにキーボードを弾いていたのは

あなただった。


…どう、して。

この曲は俺とあなたが思いつきで

適当なメロディーを鼻歌で歌っていた曲。


そういえばあなたが

ピアノが弾けるようになってすぐ

この曲を弾いていたっけ。


技術が上がったのか伴奏も付き、

ちゃんとした曲になっていた。


ずっと歌っていたから染み付いていたのかな。


気がつくと俺は泣いていた。

なんでだろう。


慌てて自分の練習室に戻る。

戻ってからも涙が止まらなかった。