坂田に見事に邪魔をされて
落ち込みながら帰った。
坂田と別れてあなたと
2人で行こうとすると
俺、坂田と用事なんてないけど…?
俺が口を開こうとすると
坂田に強めの目線を送られる。
仕方ないからとりあえず黙っておくか。
あなたも素直に信じて
手を振って歩いていく。
手を振り返してあなたの姿が
見えなくなると、俺は坂田の方を向く。
坂田があまりに平然と
邪魔しに来たことを言うので呆れかえる。
坂田のいつもと違う顔を見え始めた。
こいつ、喧嘩売ってるんか…?
あなたの過去……。
確かに俺は、俺達は
あなたのことを何も知らない。
坂田にしては言っていることが
まともだな…。
坂田がしっかり謝ってくる。
こういうのが坂田のいいところよな。
坂田が安堵した表情になる。
坂田は言い切ると走って去って行く。
俺も歩いて家に帰った。
これからどうしようか…。
ソファに寝転がりながら
スマホを見ていた。
あなたのことを知るって
どうしたらええんや……。
俺は勢いよく立ち上がった。
思わず大きな声を出してしまって
慌てたが、今は家族は誰もいなかった。
座り直して、スマホに目を向ける。
そして俺はあなたを知るための
一歩を踏み出した。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。