第64話
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そして部活終了の時。
うらた先輩が元気よく話す。
ライブへのカウントダウンが
始まっている。
私も頑張らないと…!
部活終了の号令の後、
天月君のもとに行く。
浦島坂田船の皆には言ってある。
なぜか坂田君がほっぺを膨らませて
プンスカしていた。
天月君と並んで歩く。
隣にある横顔は
漫画の中のヒーローみたいに
綺麗で、かっこよかった。
天月君ってなんだか
私に素っ気ない気がするけど
どうしてだろう。
私は素直に答える。
そう言えば天月君は
どうして軽音部に入ったんだろう。
体育の時間によく
活躍している姿を見かけるし、
運動部に入りそうな感じがする。
どうして軽音部を選んだのか気になった。
私は納得の意味でうなずく。
"その子"って言い方から女の子、かな?
懐かしそうに話す天月君の目には
憂いが見えた。
色々あったのかな…と思って
余計なことは
言わないようにした。
天月君は少し悲しげな顔をしたけど
すぐに明るい話題に変え、
ちょっとハイテンションで
話し出した。
…やっぱり何かある。
"何"かは分からないけど、
天月君は私に思うことが
あるみたいだ。
気にはなるけど
あまり言及しない方がいいと思った。