意外と世界は狭い。
俺が恐れていた再会は
あっという間に現実になった。
一番最後に会った時より大人びた姿。
真っ直ぐなエンジ色の瞳。
俺の顔を見ても全く動じない。
やっぱり、覚えてないよな…。
俺がぼーっとしているうちに
うらたさんが紹介してくれていたらしい。
声も幼さが抜けて
より綺麗になっていた。
部員が続々と集まり部活が始まる。
あなたはうらたさんのところへ
行っていた。
そんなあなたを横目に
俺は練習室に行く準備をする。
俺は練習3番室にギターを運ぶ。
いくつかある練習室のうちの3番室だ。
練習室に着くとギターを持つ。
するとコンコンとノックして
まふ君が入ってきた。
ギターを置いてまふ君について行く。
まふ君は階段の踊り場に来ると
俺の方を振り返った。
う、見透かされてたのか。
そんなに露骨に
表情に出てたのか?俺。
誰かに思いを吐き出したくなった。
1人で溜めているのが辛くて。
まふ君の優しさに
甘えさせてもらうことにした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!