第102話
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私とまふ君は部屋に入る。
私達の部屋は和がメインの部屋で
ホテルと言うより
旅館のような感じだ。
荷物を置いて軽く部屋を回ると
唯一の洋の要素はベッドと
その周辺くらいで
後は和の家具で揃えられている。
荷物を置いて部屋全体を見て回る。
ふすまを開けると
椅子と机が置かれている先には
木々の青と湖と言った絶景が見えた。
まふ君は1つ1つに対する反応が大きく、
私はうんうんと頷きながら
一緒に目を輝かせた。
部屋は1通り回って確認できた。
荷物から楽器の準備をして
借りてある練習室へと向かった。
まずはボーカル練習からだ。
AtR、浦島坂田船、
私と天月君に分かれる。
曲を決め、マイクを持つ。
機材やらの準備や備品は
ホテル側が準備してくださったみたいで、
とてもやりやすい。
学校ライブの時から感じていた。
「何でこんなにも違和感がないのだろう」と。
天月君と歌っていると楽しい。
1人や他の皆と歌っている時とは
何か違う、楽しさ。
そして同時に少し苦しい。
心が何かに握りつぶされそうな
感覚におちいる。
1曲歌い終わって
さっきの感覚が反芻していた。
天月君とは高校で初めて会ったんだ。
きっと"懐かしさ"を
感じるなんて気のせい。
…気のせい、だよね?
それから2人で歌う曲を
全て歌い終えて交代。