第16話

Story15
52
2018/08/29 14:14
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別荘に着くと紅華が何かを思い出したかのように呟いた。
紅華
律音、悪ぃ。かき氷の事なんだが...
律音
あ?あぁ。まぁしょうがないな
叶愛
ごめんね。
律音
大丈夫だって
ところでお風呂どういう順番で入る?
紅華
女子から入れば?
律音
オレらは最後でいいし
叶愛
じゃあお先に
紅華
え、まさかの一緒系?
ん?だって凄い広いのよ?
寂しいじゃん
叶愛
私は嫌よ
律音
そ、そうなんだ...
叶愛、そんな事言わないで。仲良く女子会しようねー
叶愛は徠に引きずられるようにお風呂に連行された。
―――――――――
お風呂の湯気を身に纏いながら、先ほどまで流れていた汗をシャワーで流した。
叶愛
...ふぅ。
順番に体を洗い、2人では広すぎる浴槽の中に体を沈めた。
――――ねぇ、叶愛。
叶愛
ん?
はぐれた時、何かあった?
叶愛
なんで?
なんか乙女になったなーって
叶愛
はぁ?そんなわ...
わけある!
ねぇ、もう1回聞くよ?
律音くんの事、好きなの?
叶愛
......
叶愛お願い。正直に答えて。今までずっと叶愛の傍にいたから分かるの。
叶愛
(...徠には隠し事出来ないね
え?
叶愛
好きだよ。月島の事。
叶愛
徠が月島が好きたっていう事分かってる。だけどこの気持ちは初めてなの。
叶愛...
叶愛
ごめん。本当は諦めるつもりだった。だったんだけど...
...無理、だった?
静かに頷く叶愛。
叶愛
私、優しくされたの徠以外で初めてだったの。今まで優しくしてくれた男性なんてただの社交辞令みたいなのもだったから。あんなに自然な優しさなんて触れたことなかったの。
―――そっか。叶愛
叶愛
徠ごめん。応援するって言っていたのに...
ううん。叶愛――――
これからはライバルだね
叶愛が顔を上げると徠の瞳は静かに燃えていた。

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