第25話

Story24
56
2018/08/30 22:06
8月30日――――
小さな都会ではあるが、会場は賑わっていた。
えーと、確か時計台の所だったはず...
カツンカツンと慣れない下駄を鳴らしながら、律音と叶愛の姿を探す。
律音
おっ!徠!
律音くん!あれ?今日は浴衣じゃないの?
律音
あぁ。あいにく浴衣はなくてな。
そっか〜。なんか残念だな。
叶愛は?
律音
叶愛は急用が出来て来れなくなったそうだ。
あらま。
(勝負を放棄する気なのかな?)
律音
だいぶ混んできたな。
オレ達も行くか。
うん!
徠と律音が歩き始めた。
その姿を遠くから見守っている人影がゆらりと揺らめいた。
紅華
――――いいのか?
叶愛
いーよ。
紅華
脈ありだったかもしれないのにか?
叶愛
脈なんてそんなのなかったよ。
紅華
...なんでそう言いきれるんだ?
叶愛
...全部聞いたから。
叶愛はあの日、律音とデパートに行った時の事を思い出した―――。
――――――――
デパートの帰り道、律音の提案で近くの公園に寄りベンチで休んでいた。
叶愛
――――ねぇ、月島。
律音
なんだ?
叶愛
好きだよ
律音
...は?
叶愛
だから好き。月島の事が

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