第5話

Story4
63
2018/08/27 14:58
律音が転校生してきて2週間経った。
律音の周りは男女構わずワイワイと賑わっていた。
いやー。律音くん、人気者だねー!
叶愛は律音の邪魔にならないように徠の席へと移動してきた。
叶愛
そう?邪魔なんだけど?
まぁまぁ。そう言わないの
ところで今日も部活?
叶愛
うん。
足、大丈夫?
大会で痛めた後、徠は毎日のように心配してくれた。
叶愛
平気。私が大会に出れない分みんなのサポートしなきゃいけないから。
ふふっ。そうだね。
頑張ってと呟いたと同時にチャイムが鳴り、各自席へと座った。
―――――――――――
コンコン――
叶愛
...?
思わず瞼を閉じそうになった時、不意に机の音が聞こえた。
音が聞こえる方へ視線を向けると、律音が苦笑いしてこちらを見ていた。
叶愛
...なに?
眠気を振り払うように小声で律音に問いかける。
律音
悪ぃ...。シャーペン壊れたから貸してくれないか?
律音の手から変わり果てたシャーペンが現れた。
叶愛
......ん。
どうしたら壊れるのだろうと思いつつ、叶愛は筆箱からシャーペンを取り出す。
律音
サンキュ!
叶愛
―――っ!!
太陽に照らされた律音が眩しく見えた。
叶愛
(...綺麗な笑顔だったな)
自分も徠や律音みたいに笑いたいと思っても2人みたいに笑えなくて、叶愛は戸惑うばかりだった。
叶愛
(いつか...いつか2人みたいに笑いたいな...。後、月島の笑顔、もっと見たいかも)
叶愛はふとそう思った。
......。

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