俺には1つ上の彼氏がいるんだ。
さとみくんって言うんだけどね。
とっても優しくて、一緒にいて
凄く楽しいそう思ってたんだ。
前までは…
いつからか君は水色のあの子にばっかり
俺になんて構ってくれない…
俺たちの関係はいつからおかしくなったの?
まるでツギハギのお人形みたい。
それでも前までは一緒に居たいそう思ってた。
けど、こんな思いしなきゃなら
君との時間も
その糸ちぎるだけ
きっと綺麗に散らばるよね?
ねぇ時の言葉な嘘だったの?デートに行ったのも、夜を一緒に過ごしたのも今となっては無駄な時間、結局現実はこんな程度。アニメや漫画のような両思いになって、一生幸せに暮らすなんて都合のいいようにはいかない。
チクタクチクタク…
今までの思い出がグルグルと円を描くように俺の脳内を回っている。
チクタクチクタク…
何回も解れかかった糸を結んで元の形に戻す。
でも、もうそれも終わり。俺らの糸はもう直すとこができなきぐらい解れてしまった。
じゃあ、またね
解れた糸が囁く…
でもきっと、さとみくんが消えても俺の気持ちは、俺の重りは何も変わらないのだろう。ただ、少し軽くなるだけ。
前まではLINEを送る度に返信いつ来るかな?なんて返ってくるかな?なんて、異常なほど気にしていたスマホの画面も飽きてきた。
何回スワイプして、画面をタップしても。何回トーク画面を開き直しても既読は着かない。
上にスワイプしていくと、幸せ”だった”頃のトーク画面が出てくる。
トーク画面を下にスワイプして、LINEを開き直して、スマホを叩いても何も変わらない。
ずるずる糸が呟く…
寂しい
ピコン!
今までずっと既読もつかなかったさとみくんからいきなりLINEが来た。
こんな内容が書かれていた。
とりあえず俺は…
そう返信した。
明日、これはさとみくんとの関係を
断ち切るいい機会かもしれない。
そう言って俺は、
少し早いが明日に備え、
早く寝ることにした。
今日がさとみくんの彼女でいれる最後の日。あと数時間後には俺たちは他人になってしまう。
そう考えると少し寂しい…
準備が整い、時間になったので
約束の場所へと足を進めた。
公園に行くとさとみくんはまだ来ていなかった。
さとみくんが来るまで鼻歌を歌いながら待っていた。
🎼.•*¨*•.¸¸🎶🎼.•*¨*•.¸¸🎶
デートで遅れた彼氏ががよく使いそうな言葉。
これがデートだったらどれだけ幸せだったか…
ついにさとみくんが本題に移る。
ケジメをつけるんだ。
さとみくんは一瞬驚いた顔をしていたが、
直ぐに話を戻した。
そっか、否定しないんだね。
いいの?ホントにいいの?
俺捨てちゃうよ?
全部、全部捨てちゃうよ?
俺がさとみくんのことまだ好きなの気づかないの?
気づか、ないの…?
ああ、そっか。そういう事か…
٩(¨ )ว=͟͟͞͞
俺はさとみくんの話を最後まで聞かずにその場から走って逃げた。もう聞きたくないんだ。やだ、やめて。そんな嘘聞きたくない…
俺はそのまま帰った。
さとみくんが追いかけてくることもなかった。
チクタクチクタク…
時間の進みが早く感じた。
ボーッとさとみくんのことを
考えているうちに時間が過ぎていく。
そんな日々が続き、
夏休みが終わった。
学校に行って、普通に授業を受けた。
るぅちゃんには
"さとみくんと別れた"それだけ伝えた。
そして、放課後に屋上へと足を進めた。
ドン…
生徒会長とぶつかったみたいだ。
そう言ってここから立ち去っていった。
ジェル先輩は、頭が良くて、運動も出来て、仕事もできて、女子からモテてて、誰にでも優しい。そんな"完璧"な人。毎日女子から告白されてるんだ。きっと努力なんてしなくても恋人だってできるだろうし、簡単に幸せを得ることができるのだろう。成功が保証された人。いいな、きっと毎日幸せなんだろう。俺も、俺もそんなふうになりたかったな…
そんなことを思っていると屋上に着いた。
靴を脱いで、フェンスを超え、
終わりにしようと思った時、
後ろから
そう声をかけられた。
俺はその人に今までのことを話した。
そしたら、そんなことぐらいって怒られてしまった。
でも、その瞬間だけ少しだけ楽になった。
でも、家に帰ったらまた辛くなった。
そろそろ終わりにしよう。
俺はテーブルに
"今も大好きだよ"
と書いた紙を置いた。
ツギハギだらけのとの時間も
そろそろ終わりにしよう。
この手首の糸を切るだけ。
こうも簡単に全てが終わってしまうなんて
グサッ…バタッ………
❤️
ツギハギスタッカート
❦ℯꫛᎴ❧
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。