第2話

❤️
1,059
2021/05/23 12:54
俺には1つ上の彼氏がいるんだ。
さとみくんって言うんだけどね。
とっても優しくて、一緒にいて
凄く楽しいそう思ってたんだ。
前までは…

いつからか君は水色のあの子にばっかり
俺になんて構ってくれない…
俺たちの関係はいつからおかしくなったの?
まるでツギハギのお人形みたい。
それでも前までは一緒に居たいそう思ってた。
けど、こんな思いしなきゃなら
君との時間も
莉犬くん
莉犬くん
終わりにしよ?
その糸赤い糸ちぎるだけ
きっと綺麗に散らばるよね?
さとみくん
さとみくん
好き、愛してる。俺が幸せにする。
ねぇ時の言葉な嘘だったの?デートに行ったのも、夜を一緒に過ごしたのも今となっては無駄な時間、結局現実はこんな程度。アニメや漫画のような両思いになって、一生幸せに暮らすなんて都合のいいようにはいかない。
チクタクチクタク…
今までの思い出がグルグルと円を描くように俺の脳内を回っている。
チクタクチクタク…
何回も解れかかった糸を結んで元の形に戻す。
でも、もうそれも終わり。俺らの運命の糸はもう直すとこができなきぐらい解れてしまった。
じゃあ、またね
解れた糸が囁く…
莉犬くん
莉犬くん
さとみくんなんて、いっその事消えてしまえばいいのに…グスッ…どうせこのままの関係なんだから。
でもきっと、さとみくんが消えても俺の気持ちは、俺の重りは何も変わらないのだろう。ただ、少し軽くなるだけ。
莉犬くん
莉犬くん
もう、捨てちゃえばいっか…。どうせ気づかないんだから…。だけど、やっぱりずっとずっと好きなのかな?少し、少しだけだけど胸が痛いよ…。
前まではLINEを送る度に返信いつ来るかな?なんて返ってくるかな?なんて、異常なほど気にしていたスマホの画面も飽きてきた。
莉犬くん
莉犬くん
あれも、これも抜き。
それじゃ、退屈でしょ?
何回スワイプして、画面をタップしても。何回トーク画面を開き直しても既読は着かない。
上にスワイプしていくと、幸せ”だった”頃のトーク画面が出てくる。
トーク画面を下にスワイプして、LINEを開き直して、スマホを叩いても何も変わらない。
莉犬くん
莉犬くん
もう、嫌だな…
ずるずる糸が呟く…
莉犬くん
莉犬くん
さとみくんなんて、いっその事いなくなれ。どんなに頑張っても変わらない。ずっとこの現状が続くだけ。だからきっと、なんてことない。少し、少しだけ寂しくなる。ただそれだけ…。
寂しいもっと愛して
莉犬くん
莉犬くん
もういっか、さとみくんとの思い出なんて全部捨てちゃえば。どうせさとみくんは水色のあの子に夢中で気づかないでそのままなんだから。でも、多分ずっと、さとみくんのことが好きなんだと思う。少し、少しだけ痛いけど…
ピコン!
莉犬くん
莉犬くん
え?さとみくんからLINE?
今までずっと既読もつかなかったさとみくんからいきなりLINEが来た。
さとみくん
さとみくん
明日の11時半頃に俺の家の近くの公園に来てくれ。
こんな内容が書かれていた。
とりあえず俺は…
莉犬くん
莉犬くん
わかった。
そう返信した。
明日、これはさとみくんとの関係を
断ち切るいい機会かもしれない。
莉犬くん
莉犬くん
ケジメをつけないと…
そう言って俺は、
少し早いが明日に備え、
早く寝ることにした。
莉犬くん
莉犬くん
(ι´Д`)ノファ-…
今日がさとみくんの彼女でいれる最後の日。あと数時間後には俺たちは他人になってしまう。
そう考えると少し寂しい…
準備が整い、時間になったので
約束の場所へと足を進めた。
公園に行くとさとみくんはまだ来ていなかった。

さとみくんが来るまで鼻歌を歌いながら待っていた。
🎼.•*¨*•.¸¸🎶🎼.•*¨*•.¸¸🎶
さとみくん
さとみくん
おまたせ。ごめん、待った?
デートで遅れた彼氏ががよく使いそうな言葉。
これがデートだったらどれだけ幸せだったか…
さとみくん
さとみくん
今日は、莉犬に話があって
ついにさとみくんが本題に移る。

ケジメをつけるんだ。
さとみくん
さとみくん
俺、好きな人が出来て、それで…
莉犬くん
莉犬くん
別れよ、でしょ?
さとみくん
さとみくん
!あ、あぁ。ごめん…
さとみくんは一瞬驚いた顔をしていたが、
直ぐに話を戻した。
さとみくん
さとみくん
でも、俺莉犬こと好きだった((
莉犬くん
莉犬くん
だから…
さとみくん
さとみくん
え?
莉犬くん
莉犬くん
だから、そういうのいいよ。
さとみくん
さとみくん
ご、ごめん…
莉犬くん
莉犬くん
さとみくんなんていっそのこと消えちゃえばいいのに。俺たちの関係はここまでこれ以上変わらない。いい方向には進まないんだから。変わるとしたら少し、少しだけ寂しくなるだけ。このまま俺たちは他人になって今までの思い出も全部捨ててなくなる、それだけ。そうでしょ?さとみくん。
さとみくん
さとみくん
そうだな…
そっか、否定しないんだね。
いいの?ホントにいいの?
俺捨てちゃうよ?
全部、全部捨てちゃうよ?
俺がさとみくんのことまだ好きなの気づかないの?
気づか、ないの…?
ああ、そっか。そういう事か…
莉犬くん
莉犬くん
好きだったのは最初から
俺だけだったんだね。
さとみくん
さとみくん
いや、そんなことない!
俺は莉犬の事ホントに…
٩(¨ )ว=͟͟͞͞
俺はさとみくんの話を最後まで聞かずにその場から走って逃げた。もう聞きたくないんだ。やだ、やめて。そんな嘘聞きたくない…
るぅとくん
るぅとくん
莉犬?
莉犬くん
莉犬くん
るぅちゃん、どうしたの?
るぅとくん
るぅとくん
おつかい頼まれたんです。
莉犬はどうしたんですか?
莉犬くん
莉犬くん
えーと、長くなりそうだから
夏休み明け学校で話すね!
るぅとくん
るぅとくん
分かりました!
では、気をつけて帰ってくださいね。
莉犬くん
莉犬くん
うん、るぅちゃんもね。
俺はそのまま帰った。
さとみくんが追いかけてくることもなかった。
チクタクチクタク…
時間の進みが早く感じた。
ボーッとさとみくんのことを
考えているうちに時間が過ぎていく。
そんな日々が続き、
夏休みが終わった。
学校に行って、普通に授業を受けた。
るぅちゃんには
"さとみくんと別れた"それだけ伝えた。
そして、放課後に屋上へと足を進めた。
ドン…
莉犬くん
莉犬くん
痛…
ジェルくん
ジェルくん
ご、ごめんなさい!大丈夫ですか?
生徒会長とぶつかったみたいだ。
莉犬くん
莉犬くん
大丈夫ですよ!
ジェル会長も怪我とかないですか?
ジェルくん
ジェルくん
俺も大丈夫ですよ!
では、俺はここで…
そう言ってここから立ち去っていった。

ジェル先輩は、頭が良くて、運動も出来て、仕事もできて、女子からモテてて、誰にでも優しい。そんな"完璧"な人。毎日女子から告白されてるんだ。きっと努力なんてしなくても恋人だってできるだろうし、簡単に幸せを得ることができるのだろう。成功が保証された人。いいな、きっと毎日幸せなんだろう。俺も、俺もそんなふうになりたかったな…


そんなことを思っていると屋上に着いた。
靴を脱いで、フェンスを超え、
終わりにしようと思った時、
後ろから
なーくん
なーくん
ねぇ、やめなよ。
そう声をかけられた。
俺はその人に今までのことを話した。
莉犬くん
莉犬くん
昨日彼氏と別れた。
運命の人だった。
どうしても愛されたかったんだ。
そしたら、そんなことぐらいって怒られてしまった。
でも、その瞬間だけ少しだけ楽になった。
でも、家に帰ったらまた辛くなった。
そろそろ終わりにしよう。
俺はテーブルに
"今も大好きだよ"
と書いた紙を置いた。
ツギハギだらけのとの時間人生
そろそろ終わりにしよう。
この手首のを切るだけ。
こうも簡単に全てが終わってしまうなんて
莉犬くん
莉犬くん
笑えるよねw
グサッ…バタッ………
❤️
ツギハギスタッカート
❦ℯꫛᎴ❧

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