「なぁ、ミリカ、今まで、その〝作り話〟の中でしか見なかった魔法を、実際に目の前で見てどうだった?」
「え!?そりゃ~、凄かったし、迫力あったし、感動したよ!!テロリストに人が襲われたり、私も、色んな人に狙われたり、大変だったけど」
「そうか・・・・・・でも、魔法がある事は、良い事ばっかりじゃないんだけどね」
「え!?そうなの!?何で!?」
「そのうち分かるさ」
「そっか・・・・・・」
「それと、ミリカ、今日、ミリカを自分の都合の良いように使おうと考えてるヤツらに狙われて大変だったけど、おそらく、今日、襲いかかって来たヤツらは、まだ、懲りないだろうし、今日のヤツら以外にも、まだまだ襲ってくるヤツがいるかもしれないよ」
「え!?私、まだ襲われるの!?それに、他にもまだまだ襲ってくる人達がいるかもしれないって!?」
「うん。分からないけど。自分の利益のために他人を襲うような悪いヤツらは、そう簡単には懲りないし、ミリカが動物の言葉を理解する力を持ってるのは、もう、かなり有名みたいだからね」
「そんな・・・・・・?」
ミリカは、泣いた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!