第8話

♯8
797
2020/08/10 10:10
むかーしむかしのお話です。
その時代はまだ吸血鬼と人間は共存していました。
そんなとある国に1人の少女がいました。
その少女は、その国のお姫様なのです。
しかし、お姫様は"オッドアイ"を持っていて、国民からはあまり好かれていませんでした。
"オッドアイ"は蜜血の証。吸血鬼の絶好のエサです。
お姫様は心優しくても、片目ずつ色が違うことは吸血鬼を引き寄せるからと厄介者にされていたのです。
そんなある日、突然お姫様の元に双子の吸血鬼が現れました。
最初は蜜血を求めてやって来たのかもしれないと警戒していたお姫様は、双子の吸血鬼の言動を見て、段々と警戒を解いていきます。
双子の吸血鬼は、お姫様のはじめての友達となってくれたのです。
大きくなるにつれて、3人は惹かれあっていきます。
しかし、そこで悲しいことが発覚します。
"双子の吸血鬼は、蜜血に恋をしたならば、片方は結ばれるが、片方は結ばれることなく死に至る。"
双子は、好きな人が同じになってしまうという欠点があって、普通の人ならば問題ないものの、もしそれが蜜血ならば、片方は死んでしまうのです。
まだ3人でいたいのに。
それを知ったお姫様は__________。
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Jel
どうしたと思う?
そう聞かれたので少し考え、無難な答えを言った。
(なまえ)
あなた
3人でいられる方法を探した、とか?
するとジェルくんは首を横に振った。
Jel
双子のうち、本当に好きな方と結ばれて、もう片方を犠牲にした
(なまえ)
あなた
…!
Satomi
あなたちゃんはその蜜血姫と吸血鬼の末裔かもしれないんだ
だから…まだ分からないけど、もしも。もしもだけどね?俺らがあなたちゃんに恋をしたなら…って思って
いくら"もしも"だからといって強調しすぎだと思う…。
でも…。知らなかった、そんなこと。蜜血に恋しただけで死んでしまうなんて。
私が少し俯くと、ジェルくんは疑問に思うことがあったのか、でも…と話をつなぐ。
Jel
あなたちゃんって、オッドアイじゃないよな?
蜜血はオッドアイを持ってるはずなんやけど…
Satomi
確かに…
蜜血だってバレたんなら、別にいいよね。
そう思って、目を閉じ、横で三つ編みにして、後ろでまとめているところをほどいた。
閉じていた目を開けて2人の方を見る。
さとジェル
…!
_(なまえ)@(本当の姿)_
あなた(本当の姿)
私、オッドアイもってるよ
この三つ編み、実は特殊なエクステで、オッドアイを隠せるの
2人は黙り込んでしまった。
しばらく間が空いて、ジェルくんが何かポツリと言った。
Jel
…だよ
_(なまえ)@(本当の姿)_
あなた(本当の姿)
…え?
Jel
綺麗だよ、その目
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この小説内での蜜血の特徴をまとめますね。
・オッドアイ
・女子にも男子にもいる
・生まれつき。突然変異などはない
・血が甘く、いちごミルクみたいな味らしい
・吸血鬼を引き寄せる
・全人口の3%程度と珍しい
こんなもんですね。
追加事項があれば、その時の雑談コーナーで説明します。
おつみなさっち!

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