ずっとずっと、俺の隣に居たはずのあなた。
小さい頃、隣の家に住んでいたあなたと、
夜中にはコソコソと2人で家を抜け出し、
海に行ったこと。
少しの距離しかない俺とあなたの部屋。
ちっせぇ足で俺の部屋にベランダからきて、2人で一緒に寝たこと。
2人の秘密基地を作ったこと。
中学に入っても、変わらず楽しそうに俺の隣に居てくれたこと。
高校に入って……
俺のそばに居てくれなくなったこと…。
あいつに、………彼氏が出来たこと。
俺…ほんとはね、
あなたが好きだったんだ。
ずっとずっと、幼馴染としか見てくれてないもんだから、
言いたくても、告白なんかできなくて
そしたら、アイツには好きな奴できたなんて言って…
教えてくれないから、俺かな?って期待したんだよ…
でも、
知らねぇ奴のとこ行って…
もう、あなたはこんな姿だから、そばで見守ってるよ。
この恋は…諦めなくちゃいけないんだろ?
あの時……手放さなければよかった。
あの日には、もう巻き戻せない。もんな…
だからせめて…
幼馴染としてでもいい。
たまにでもいい。
そばにいても、いい?
辛くなったら、俺が支えるから。
好きです。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。