第12話

病院
512
2018/12/11 07:29
今日からまた新しい環境。
大学で知り合った"みく "と同じ病院で働けるようになった
みくには龍友のことも話した
みく
あなた!おはよ
あなた
わっ!
おはよ!!
電車を待っていたらみくが後ろから声をかけてきた
大学時代に沢山話してきたはずなのに会話が止まらなかった
成人してる大人がこんなに笑うかってぐらい笑いながら歩いた
病院に着いて、挨拶をした
りこ
みくちゃん、あなたちゃん
あなた達が働くところ案内するからついてきてねー
みく
はい!ありがとうございます
あなた
はい!ありがとうございます!!
大学の実習で着ていたはずのナース服なのに環境が違うだけで慣れない

午前中はみくと先輩の仕事を見て教えて貰いながら仕事をした
午後からは少しずつ自分たちで仕事をした
りこ
ふたりとも初めてにしてはいい感じ!
先輩から沢山褒めてもらって、沢山注意してもらってだんだん仕事が出来るようになった





そして、看護師になってから半年ぐらいがたった頃
あなた
数原さん
あなた
数原龍友さん2号室にお入りください
私、今、数原龍友さんって。
いや、同姓同名だよね。
みく
…!あなた!!
あなた
え?
みく
ぼーっとしてるよ!
早く2号室行かなきゃ!先生待ってるよ
あなた
あ笑
ごめんごめん
少し緊張気味で2号室に入った
そこにはニット帽を被って、髭生やしているガタイのいい人がいた
龍友?
龍友っぽい人は全く私を見ようとしない
そりゃ看護師なんて見ないよね。
それに私、長かった髪の毛を切ってぱっつんだった前髪も今は流してる。これは自分でもだいぶ雰囲気が変わったと思う
気付くわけない。
龍友っぽい人が部屋を出ていく時にやっとこっちを見てくれた。
ニコって。











あの目、










絶対龍友だ。
お昼の時にみくに話した
みく
えぇ!?なんで追っかけなかったの
あなた
仕事中
みく
また来ないの?予約入れてなかった?
あなた
入れてたかも、でもずっと見てて聞いてなかった
みく
バカ!
あなた
うん。
午後の仕事も終わって帰ろうとした時
あなた!
あなた
ん?
私は周りを見渡した
なんか聞き覚えのある声
やっぱあなたやった!
私の目の前に現れたのはさっきの患者さん
そう。龍友
数原龍友
おーいあなた?
あなた
…龍友。
あなた
髭生えてる!!
数原龍友
いや、そこ?
あなた
うん笑
数原龍友
どう?
あなた
似合ってるよ!
数原龍友
ほんまかー
ほんまかって顔を真っ赤にして言う龍友。
変わんないな




























今はまだお互いのことなんて聞けなかった

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